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この三月に、『夏目漱石の手紙に学ぶ 伝える工夫/中川 越』という本を、 マガジンハウスから出しました。


夏目漱石の手紙に学ぶ 伝える工夫/中川 越
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この本の内容にちなんだ漱石の手紙の一部を、このブログでご紹介させていただきます。


2014-4-3 著者 中川 越 (なかがわ えつ)

漱石の手紙-11 依頼の手紙

調べものの依頼を脅迫的に行う


いやだ、などといったら、卒業論文に零点をつける〔現代語訳〕

いやだ抔(など)というと卒業論文に零点(れいてん)をつける〔原文〕

(野村伝四宛・明治三十八年十一月二日付)

解説 漱石が学生に行ったパワーハラスメントの証拠手紙である、というわけではない。ユーモアをまじえた強い依頼だ。というより漱石は、このように貧乏な門下生にあえて頼みごとをして、小遣いをあげていた。人にお金を与える無礼を、知っていた。

 

漱石の手紙-12 依頼の手紙

書籍「吾輩は猫である」の挿絵を画家に依頼する

君の筆で雅やかで面白いものをかいてくださればとても幸せです


〔現代語訳〕

君の筆で雅致(がち)滑稽的(こっけいてき)のものをかいて下されば

幸甚(こうじん)と存候(ぞんじそうろう)〔原文〕

(中村不折宛・明治三十八年八月七日付)

解説 雑誌ホトトギスの連載で好評を得た「吾輩は猫である」は、書籍となった。その際、漱石自ら、新進気鋭の画家中村不折に挿絵を依頼した。相手の自尊心をくすぐりながらも、漱石が望むビジュアルイメージをきちんと伝えた。





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『夏目漱石の手紙に学ぶ 伝える工夫』のPVがこちらからご覧になれます。








●お知らせ●

2014-3-31東京新聞中日新聞 に、『夏目漱石の手紙に学ぶ 伝える工夫』が紹介されました。それぞれの新聞名をクリックすると、記事がご覧になれます。


































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2014-3-31 著者 中川 越 (なかがわ えつ)

漱石の手紙-9 ペットの死亡通知

吾輩は猫であるのモデルの猫が逝ったときの死亡通知







昨夜いつの間にか裏の物置のかまどの上で逝去いたしました〔現代語訳〕


昨夜いつの間にか裏の物置のヘッツイの上にて

逝去(せいきょ)致候(いたしそうろう)〔原文〕

(鈴木三重吉宛・明治四十一年九月十四日付)



解説 今でこそ、ペット葬など、ペットを家族と同じように考える傾向があるが、漱石の時代にはなかったこと。この斬新な通知が、どれだけ周囲を驚かせ、そして、猫の死に対する哀惜の深さを伝えたかわからない。



 

漱石の手紙-10 アドバイス

堅実な生活のススメをユーモアを交えて行う




倹約してお金をおためなさい。時々拝借にうかがいます〔現代語訳〕

倹約(けんやく)をして御金を御()ためなさい。

時々拝借(はいしゃく)に出ます〔原文〕

(下山儀三郎宛・大正五年六月二十二日付)



解説 説教じみた話は、言う側は気分がよくても、聞く側は面倒に思うことが少なくない。しかし、このように、軽いユーモアを交えると、ありがたがみがます。漱石は好意の伝え方を心得ていた。






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2014-3-31 著者 中川 越 (なかがわ えつ)

漱石の手紙-7 承諾の手紙

売れない画家の自尊心に感心しながら承諾する



絵は百円から一厘も引けぬとのお言葉、尊敬しながら承知しました。〔現代語訳〕


          画()は百円より一厘(りん)(=一円の百分の一)も引けぬとの仰(おおせ)(=お話)敬承(けいしょう)(=尊敬して承知すること)しました。

〔原文〕

(庄野宗之助宛・明治四十年一月二十七日付)


解説 漱石は絵も大好きだった。見るのも描くのも。漱石自身は絵を買う趣味はなかったが、気に入った絵を友達に紹介することがあった。この手紙も絵を友達紹介した結果、少し値引きしないかと友達に聞かれ、その取り次ぎをしたところ、画家から値引きはしないと断られ、それを承諾したときの返事。ただ承諾するだけでなく、相手への尊敬もまじえ、趣き深い。


 


漱石の手紙-8 暑中見舞い

親しい相手に暑さを見舞うときの言葉



私は朝から晩までサル股一つですごしています。〔現代語訳〕


私は早(そう)から晩(ばん)までサル股(また)一つでいます〔原文〕

                (大谷繞石宛・大正三年八月一日付)


解説 大正三年といえば、ちょうど今から100年前。その夏も暑かったようだ。私事で恐縮だが、筆者が子供時代クーラーもなくわが父親は、漱石同様サル股一つで終日を過ごした。親しい相手には、ざっくばらんな近況を伝え、暑さを慰め合うのがいい。





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