Part2からの続きです。
これでラスト。

引き続き、受講生の質問から。


Q.ジャベールはなぜ死んだのですか?

岡さん「(この質問が出るということは自分の)表現が下手だったんだなぁ…。難しいね。」

「シンプルに言うと、自分の考えていた信念が崩れたから。」とおっしゃってましたが、長く演じる中で色々試し、深めていったのかなという印象を話を聞いて受けました。

「自殺のエネルギー…それは相当のものが必要です、何のためなら死ねるのかとあるとき考えた。そして好きな人のためなら死ねるのかも、と。もしジャベールがバルジャンに愛情を持ったとしたら…と考えたことがある。」

もちろん「愛」は恋心的なものではなく。

そして実際に演じてみたそうです。
「そしたら自殺の瞬間、泣けて、心が乱れて歌えなくなった。」と。

『ジャベールの自殺』の中で「心が乱れる」という歌詞通りになったそうです。

しかし、この好きな人のために死ぬという感情も、バルジャンによってはこの感情が起きないときがあると。←受講者爆笑。

ちなみに心乱れてとなったのは、別所バルジャンのとき。

ただ別所さんだけが特別な訳ではなく、その後の公演で別所バルの芝居が変わったときはその感情は使えなくなったとのこと。

自殺に関するお話はとても興味深かったです。

本当に好きだったらその人の幸せを考えられるのかも、と。
自分がいることでバルジャンが生きてく障害となるのかもしれない、自分がいなくなればバルジャンが幸せに生きていけるのかもしれない。
そしたら死ねるのかもしれないと考えた。

『レ・ミゼラブル百六景』を執筆された鹿島茂さんも、以前のイベントで似たような解釈をされていたような。
そんな記事を読んだ記憶があります。

岡さん自身これが正解なわけではないとおっしゃっていましたが、歌詞とリンクする上でこういう感情は大切なんだと感じたそうです。

ちなみに岡さんの妄想では…
バルジャンは、ジャベールがバルジャンを好きなことを知っている。
晩年の老いたバルジャンは、ろうそくを2本(1本だけ火が灯してある)持って出てくるが、もう1本に火を移すのは最後に登場しないジャベールをそこに存在させるために行う行為と勝手に思っているんだそうです。


Q.レミゼが愛され続けるのはなぜか?

レミゼには様々な愛の形が表れているからだと思う、と。

何回くらい舞台をご覧になりましたか?と受講者に逆質問があり、多い人は300回以上という方がいました。
この方は滝田さんと鹿賀さんのファンだそうです。

それを受けて岡さんが思い出話を。
鹿賀さんがハラハラするくらい体調不良だったとき、そんな中でも素晴らしいお芝居をバリケードでされたもんだから、そこにいた全員が泣いてしまった回があったんだとか。
観に来ていた方にも今日の舞台は神がかっていたと言われたそうです。


[みんな:01]新演出版についてどのような思いがありますか?

今回、岡さんもジャベールのオーディションに行き、『Stars』を歌ったそうです。
新演出家からこのように歌ってくれなどお話があり、その後コールバックで呼ばれて行ったら、ビックリする方がバルジャン候補で残っていてその方と対決シーンをやったらしい。
どなたっだたんでしょう。

残念ながら岡さんは今回ご出演されませんが、新演出版にあたって映画を見てもわかるように土くさいジャベールにシフトしてきている。
今まで日本のジャベールはスっとしたシャープ、鋭利なタイプだったが、求められるものが変わった。
岡さんはキャラクターに合わなかったのだから仕方ないですということでした。

新演出は映画に近く、船からスタートし、アンジョルラスの歌う部分も変わり、ガブローシュの歌詞も少し変わる、大きなバリケードもないし…と印象が変わるだろうということ。


福井さんの怪我もあり、キャスティングにも変更があったことを受けてそのお話へ。

鎌田さんがジャベールを演じることになったとき、岡さんにご本人から電話があったそうです。
(これ光夫さんもそうでしたよね笑)

鎌田さん「岡さん、今言われました。」と。
「これはどうしても自分の口で岡さんに伝えたかったんです。」

岡さんの影響力は何なんだろう(笑)

さてその後のお話。
岡さんの話にはよく登場する光夫さんw

「岡ちゃんどうする?お祝いする?それとも残念会する?」と言われ、岡さん「お祝いしよう。それで何も出来なかったらボコボコにするw」って返したらしい。
そしたら光夫さんから「賛成。」って(笑)

光夫さんが岡さんを「岡ちゃん」と呼ぶことにまずビックリですが、字面だけだと意地悪なやり取りにも一見見えるけれど、可愛がってるからこその冗談半分という感じで、鎌田さんへの愛情も感じるエピソードでした。

前の旧演出も知っているのはお前なのだからレミゼの精神を伝えられるよう頑張れとエールも送ったそうです。
演出家から見て彼がジャベールというキャラクターに合っていると判断があったから、彼が選ばれたんだ。
こんなチャンスはないのだからモノにしろと。

これは鎌田さんプレッシャーになっていることでしょう(笑)


お客さんから見てその役に合っているかどうかはその人の好みである。
音を外すとかは論外だが、だから合わないと感じたら他のキャストを観ればいい。
そう話す岡さんの話を聞いて、受講者が笑っていると、
「だって笑ってますけど、皆さんキャスト表を見ながら、この人は見たくないとか言ってるんでしょ?」
「わかりやすいピンクの蛍光ペンで色塗りして、一番色が塗られている回を観にいくんでしょー?」って(笑)

これみんな手を叩いて爆笑されてました(笑)

6月から二都物語の稽古で岡さんも帝劇にいるらしいんで、呼んでくれればいきますよーって冗談で締めてました。


新演出情報もちょこちょこ入ってくるようで、

The Final Battleのシーン、アンジョルラスの「♪世界に自由をーー!」の部分が映画と同じように高くなるそうで、キャストの皆さんも苦戦しているそうです。

あそこのAaronアンジョ、カッコいいですよね。
楽しみだなー♪


アンサンブルもまだ変わっているとか。
司教様がチェンジになったらしいとか。
始めはプレビューでアンサンブルを決めるなんていうことを言っていたらしく、それはちょっと困るのでとなったみたいですが、どうなるのか気になるところです。
原慎一郎さんは二都物語にも出るから6月からは出られないので、そこらへんでまた変わるのかもしれないなんて話も。
海外を含め劇場のサイズによってアンサンブルの人数も変わったりするらしいですね。


最後に、
杉山有大さんがアンサンブルからアンジョルラスに抜擢されたことに対する質問もありました。

確かに福井さんの怪我に伴い、鎌田さんがジャベールになるのはともかく、なぜアンジョとテナもキャスト変更が発生したのか気になる人もいますよね。

杉山さんはプレビュー公演から出演するところに岡さんは意図を感じるようです。

プレビュー公演というのは本演出家のローレンス・コナーが来るものなんだそうです。

今の演出担当者が杉山さんのアンジョルラスをローレンスに見せたいのだと思う、と。

これは新アンジョも楽しみですね。


今日の講義の締めに、受講者から岡さんに赤ベストを着てほしいと要望がありました。
が、残念ながら実現せず。



以上で講義のレポートは終了です。

もっと教科書のようなお話になるのかと思っていましたが、舞台を経験してきた岡さんだからできるお話というのが本当に楽しかったです。

レミゼは1時間半なんかじゃ話尽くせませんよ、とおっしゃっていたので、これはぜひ第2回も開催していただきたいです。


今月下旬間もなく公演が始まる新演出版レ・ミゼラブル。
今日の講義でますますワクワクしてきました[みんな:02]