もう5~6年も前になります。
ヤフオクに毎週のように出品された「一石」鉢や「涌泉」鉢がありました。
出品者はいつも「一石と書いてあります」とか「涌泉と書かれています」とかいう表現で誤魔化して、決して宮崎一石とか月之輪涌泉とかの名前を出さずに、これらの贋作を大量に出品していました。
普通に考えれば、絵も稚拙だし、こんなものに騙されるひとは多くはないと考えることもできますが、数年前にある専門業者のホームページに、この鉢が載せられてしまったんです。
その時は、指摘によりサイトからすぐに削除されて事なきを得ました。
実は、そんな経緯のある鉢が、またもやヤフオクに出品されているのを見て愕然としました。
それが・・・
これです。
絵はもちろんですが、この贋作の特徴として、鉢底をわざと汚してあります。
きっと、無理やり時代感を出そうとしている訳でしょうが、磁器の鉢にこんなに薄汚く時代が付くことはあり得ません。
但し、今回の出品された業者さんが大変に良心的で・・・
このように表現されていました。
このようにすれば、もちろん問題はありません。
この世界には「写し」という表現方法も認められていますから。
もちろん、製作者の意図はまったく違うものとしてもです。
美術品・工芸品の真贋の判定は、本来はすごく難易度の高く難しいものだと思います。
この鉢のように、毎週毎週同じ下手な絵で出品してくれれば判断も容易ですが、絵の技術が向上したら相当に難しいことです。
今日は、盆栽に関わるちょっとダークな面を書いてしましました。
ホントはこんな暗い事なんか書きたくありませんね。