Style (スタイル)
スタイルガイドに準拠しているか (Style Guide)
IT翻訳ではほとんどの場合、スタイルガイドが提供されます。
提供されない場合は、MSのスタイルガイドに準拠するよう指示されることもあります。
スタイルガイドには、とても細かい規則が書いてあります。
しかも、クライアントごとに基準が異なるため、注意が必要です。
特にスペースの有無などはクライアントによって異なります。
さて、どんなことが書いてあるのでしょうか。
・ 半角と全角の間にスペースを入れるかどうか
・ UI文字列を囲むときにどの記号を使うか([]、「」など)
・ かっこは全角と半角のどちらにするか
・ カタカナ複合語をどのように表記するか(間のスペース有無、中黒を使用するかなど)
これらは、ほんの一部です。実際には、もっとたくさんのことが書かれています。
たとえば、助動詞(should、may、mustなど)や関係代名詞の訳し方まで規定してあるものもあります。「訳し方まで指定するのかよ」と怒りたくなる方もいるかもしれませんが、そこは仕事です。お客様の求めるものを納めようではありませんか。翻訳物もれっきとした「商品」です。
クライアントによっては、150ページ以上に及ぶスタイルガイドを用意しています(しかも英語で)。
私の経験でも、次の日が納期の案件なのに、100ページ以上あるスタイルガイドが提供され、うんざりしたことが何度もあります。
最初のうちは、「これを読む時間は、お金もらえないの?」などとぼやくことも多々ありましたが、もうすっかり慣れてしまいました。
隅から隅まで熟読するのではなく、ポイントを押さえて読むと効率的です。
ただし、読む価値あると思います。企業ごとの製品に対する考え方などがくみ取れます。
トライアルを受ける方にとっても、かなり勉強になるのではと思います。MSのスタイルガイドは一般の人でも入手できるので、目を通しておくことををお勧めします。
スタイルガイドへの準拠は、ほとんどのクライアントで重視しています。つまり、スタイルガイドに準拠していないことがわかると、「スタイルガイド違反」として間違いなく減点の対象となります。