連休の最初の日、僕は祖母の家に行くために電車に乗ってたんだ。
退屈な40分。
単調な音。
窓の外を見てたのは、僕だけじゃなかった。
僕の町の大きな球場にさしかかった時に、白い影が動くのが見えたんだ。
なんだろう、って思うのと昨日会ったばかりの君に見えた気がしたのは同じタイミングだった。
慌てて窓の外を食い入る様に見たよ。
あれは君だったよね?
君に聞いた事はなかったけど、君に間違いないと思ったんだ。
だってあれから毎日僕は同じ時間の同じ車両のあの電車に乗ったんだから。
今になって思えば、あの球場に行けばよかったって思うよ。
でも、あの時はこれが一番いい方法に思えてたんだ。