6. 文化の違いを意識する/ 以心伝心とは何か | Bokensdorfのブログ

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国際結婚から考えた「隠れた構造・隠れた文化」について
加えて「世の中の仕組みは実はこうなっている」について書きます

■ 以心伝心とは何か

さて、以心伝心である。
国際結婚した日本人はこの言葉をよく話題にする。

常識的な言葉なのだが、改めてその意味を考えてみる。

以心伝心とは、
相手の考えている事が聞かなくても分かるという事
だと答える人が非常に多いが、

私の考えではそうではない。

相手の思考パターンは、長く付き合っていれば誰でも分かってくるものだ。

それなのに、結婚生活が長い夫婦でも、
『国際結婚には以心伝心が無い』と言う人がいる。それはなぜだろうか。


以心伝心が無い、というには二つの発生条件があると思う。


まず、「パターンの基本が異なる場合」である。これが第一の条件。

パターンとは
「こういう時はこうする」
という型の事である。

パターンは個人やそれぞれの文化ごとにあるものであり、
異なる文化に属するパターンでも経験によって読み取れるようになるものも有る。

日本人どうしの場合は経験によってパターンを読み取っている割合が高いというだけで、
日本人が他人の気持ちを察する想像力に優れているというわけではないし、
特別なコミュニケーション能力を備えているというわけでもないし、

思いやりがあるからでもない。

たとえ読み違えた場合でも、相手が日本人ならせいぜい「今回は読み違えた」
と思うくらいで、以心伝心が無いとまでは言わない。
そこにはパターンの基本が同じという土俵が有るからだ。


だから、相手の考えている事が分かるか分からないか
【=パターンが読めるか読めないか】が以心伝心の有無の基準では無く、むしろ、
パターンの基本が異なるために読めない事もたまにはあるが
それでも何とか相手の考えている事は分かっている
(結婚生活の長い国際結婚の夫婦はこれに当たる)
と信じていながら予想しなかった未知のパターンに遭遇した時にこそ、
以心伝心が無いと感じる状態になるのだ。


しかし、それだけが条件なら
文化の違う外国人同士でも共通のパターンが無い場合には以心伝心が無いと
感じてもよさそうなものである。

実際にはそうではない。


何故か。


【続く】




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