おととい、選挙事務所の片付けに出向いた


大差で負けたためか

意外とみんなサバサバしていた


候補はあいさつ回りで不在

結局、お会いすることができなかった


事務所の外では回収したポスターや立て看をコンテナに投げ込んでいた

見る見るうちにいっぱいになっていく


中では税理士さんが会計の締めを行っていた


部屋の片付けは半日ほどで終了


挨拶を済ませ事務所を後にした


候補はもう一回挑戦したいようだ

しかし、まわりは

大差で負けたこともあって

冷やかだ


しばらく十畳ほどの部屋で

秘書ひとりと政治活動を続けていくそうだ


リベンジが出来る日が来ることを

信じたい

選挙事務所に、ある男がいた


私はボランティアを始めたとき

選挙運動のイロハを教えてもらった


本人も

候補の側近中の側近であるかのように

得意になって話していた


私はその男に

全幅の信頼を置いていた


ところが、

選挙公示日から

その男の顔が見られなくなった


そして、きのう

TVに映しだされた対立候補の脇に

その男が満面の笑みを浮かべて立っていた


しまった!


その男は敵のスパイだったのだ


その男の正体を見破れなかった

事務所サイドは

かなりの活動資金を渡していた

事務所に行ったら

いきなり秘書が私の元へ


「だめです」

「比例復活の可能性も?」

「ありません」


部屋に入ってみるとすっかり片付けが終わっていた

神棚も達磨もなくなっていた


午後8時2分、相手候補の当確をNHKが打つ


8時4分、候補が敗戦の弁を約2分間述べる


8時10分、候補がマスコミの囲み取材を受ける


8時15分、ほとんどの支援者が家路につきはじめる


8時18分、当選した相手候補のインタビューがTVに写し出される

複雑な思いで眺めるしかない


8時半、関係者への挨拶を済ませて、事務所を後にする

空しさがこみ上げて来るのを感じながら