(英語で
親友を呼ぶときに使う言葉)
僕を呼ぶときにこの言葉を
使ってくれたのはコロンビア人だった。
これまでたくさんの人に会い
共に旅をしたし
たくさん話もした。
でも
この言葉を使ってくれたのは
彼が初めて。
"MATE"
親友だと認めてくれた時に
使う特別なことば。
彼の名前はジョファン。
彼と出会ったのはドミトリーだった。
同じドミトリーで
きっかけは覚えてもないくらい
小さな事だったと思う。
コロンビアといえば
最近日本でも結構耳にする国では
ないだろうか。
日本人大学生が殺害された国。
プロサッカーチームを乗せた飛行機が
落ちた国。
正直
あまりいいイメージはなかった。
ジョファンと
お互いの自己紹介をしたあと
話はすぐに二つの起こってはならぬ
事故の事に。
するといきなり
ジョファンは僕に謝った。
「僕の国が日本の皆さんを悲しませてしまい
ほんとうに申し訳ない。」
驚いた。
別に彼がなにかをしたわけではない。
ただ彼の国で事件が起きただけ。
それでも彼は真剣に
僕に何度も頭を下げた。
それから
なぜかは分からわらかないが
すごく仲良くなり
結局シンガポールで過ごした4日間
全てジョファンと共に旅をした。
たくさんの観光地に言って
「全てが高すぎる」
と二人で嘆きながらも
おおはしゃぎしたり。
小汚い格好で
高級デパートに入っていき
入店をNGされたり。
マリーナベイサンズの屋上で
人生で一番高いビール
アサヒ350ml=1500円
を乾杯したり。
地下鉄で
前に座っている美人を見て
二人でにやけたり。
くだらない男同士の話から
真剣な人生の話まで
たくさん話もした。
ジョファンにとっても
旅
は僕と同じように夢だったらしい。
コロンビアでは
世界を旅する資金を貯めるのに
毎日働き続けても
最低5年はかかる。
だから彼は
両親の反対を押し切って
単身オーストラリアに飛んだらしい。
オーストラリアでは
英語も全く話せない中
日中は死ぬ気でお金を稼いで
夜はひたすら英語を学んだ。
オーストラリアのメルボルンでの
生活は相当きつかったらしく
体重は10㎏落ちたとか。
また、ジョファンは
過去にコロンビアで暴行事件を
起こし、逮捕歴があるらしい。
お酒に酔った勢いで警察と
揉めた末の出来事。
そのため
国を渡るのも一苦労だと語った。
それでも
彼は旅することを選んだ。
自分の夢だから。
「MATE。
俺はこの旅で自分を変えようと思ってる。」
「変えたいんだ。」
「変える。」
なにかわからないけど
めちゃくちゃ重いものを感じた。
なぜかって言われても
上手く説明はできないけれど
なんていうか
人から溢れるパワーみたいなものを
めちゃくちゃ感じた。
背負ってるものが
僕に比べてはるかに大きな気がした。
「MATE!」
心の底から
そう呼び合える旅人に出会えることは
本当に感謝すべき事だと思う。
また、
旅だけじゃなく
今後の人生においても
MATEと呼び合える仲間に出会うことが
僕の人生を豊かにしてくれるんだな
と本気で感じた。
ありがと。MATE。
また地球のどこかで。
最後に
シンガポールの写真をどうぞ!