大きな問題もなく
旅をしてきた僕ではあるが
タイに入ってからピンチが
降りかかった。
今日はそのピンチについて
綴ろうかと思う。
単刀直入に言うと。
タイのバンコクで
事故を起こした。
正確には事故にあったというべきか。
タクシーの前後ドア二つ破損
バイクの前のカゴ破損
って感じの中くらいの事故。
状況はこんな感じ。
ホテルへの帰路。
タクシーに乗っていた僕。
座席は左後ろの席。
明らかに運転手が、指示したホテルを
通りすぎたので、道の途中ではあったが
降ろしてくれるようにと
運転手に告げると
運転手もそれを了承し
道の途中で降りることに。
お金の支払いを終え。
カープンカ(ありがと)
と言われ、タクシーを降りようと
ドアを開けた次の瞬間
タクシーめがけ後ろからバイクが
突っ込んできた。
タクシーのドアは折れ曲り
バイクは前のカゴがぐちゃり。
幸いにも
僕はドアを開けてからバックを
背負おうとして
車内に残っており
怪我はなかった。
しかし
ここからが大変だった。
バイクの運転手は運転手で
僕に500バーツ(1500円程度)を
弁償代として払えと突っ掛かってきて、
タクシーの運転手は運転手で
僕にドア2つの破損を弁償しろ
激怒しだした。
ここで真っ先に浮かんだのは
よく事故を起こす父に対して
母がよく言う言葉。
我が家の家訓だ。
「事故を起こしたら、まず、警察。」
そして次に浮かんだのは
バイクのカゴはまだしも
このタクシーを弁償なんてことに
なったら僕の旅は終わるということ。
とりあえず
落ち着け
落ち着け
落ち着け
と何度も自分に言い聞かし
かなり怒っている2人の運転手とともに
警察に向かうことに。
そして警察に向かう途中
ある事に気がつく。
ここはタイ。日本ではない。
2人の運転手も警察も全てタイ人。
もちろんだがみんなタイ語を話す。
英語はHow much?程度しか通じない。
一方、
僕が知っているタイ語と言えば
サワディーカップ(こんにちは)
カープンカ(ありがとう)
メイペ(辛さ抜きで)
ポンラックン(愛してるよ)
のみ。
この4つの言葉を
どれほど上手く使ったって
自分には非が無いことを主張するのは
無理である。
これは
完全に劣勢に立たされる。
双方の運転手は
とりあえず自ら修理したくない故
右も左もわからない日本人を責めるだろう。
やべぇ。
これ本当に旅終わるぞ。
と思ったその時。
警察に日本人らしき人が。
なにも考えず
とりあえず助けを求めた。
「すいません。日本の方ですか。」
僕が助けを求めた相手は
小林豊さん。
奇跡的に日本人。
たまたま被害届を出しに警察に来ていた。
さらにタイに永住していて
タイ語が話せる。
さらにさらにここからが
本当に奇跡だとおもうのだが
小林さんの職業は法律コンサルタント。
交通法はもちろん。
タイの法律を網羅している法律のプロ。
劣勢に立たされていた僕の立場が
一気に逆転する。
法律の観点から小林さんが
警察と2人の運転手を論破。
示談ということで
今回の事件は解決し
僕に非がないことが認められた。
奇跡はピンチから。
まさにピンチからの奇跡だった。
旅ってのは
人生と同じで
綺麗な景色や
楽しい会話といった
良いことばかりではない。
時には
この日のようなピンチが
降りかかる。
それも含めて全てが旅。
日本に帰った時に
ピンチを、奇跡が起きた。
とみんなに話せるよう
もう一度リュックの紐を
しっかりしめよう。