『Resurrection』(2018)
Michael Schenker Fest
“神”ギタリスト、マイケル・シェンカーが、かつて共演したメンバーたちを再結集、「マイケル・シェンカー・フェスト」なるプロジェクトを立ち上げ、アルバム『レザレクション』を発表した。
この作品がとてもとても良い。2月末に手に入れて以来、毎日聴いている。
まず楽曲が充実している。
近年のマイケルは「テンプル・オブ・ロック」名義で安定した活動を続けており、ギタリストとしてはもちろん、作曲家としても上り調子だと僕は思っている。今作におけるマイケルは、過去と現在を繋ぐメンバーたちを得て、一気に覚醒した感がある。
次に、往年のメンバーたちによる素晴らしいパフォーマンスが楽しめる。
「テンプル~」のシンガーであるドゥギー・ホワイトが良いのは当然として、ゲイリー・バーデン、グラハム・ボネット、ロビン・マッコーリーという歴代のシンガーたちの、衰えを感じさせない強力なヴォーカル・ワークが最高だ。
味わいを増したゲイリー、高音部がやや割れるとはいえ、最後までイキきるグラハム、エコー過多の「MSG」時代から一転、生々しいロビン。聴けば聴くほど、ヴェテランの凄みが染みてくる。
そして、マイケル・フォスによるプロデュースが最良のシェンカーを引き出している。
シェンカーとフォスのコラボレーションは、おそらく10年以上続いていると思うが、いよいよ熟成の度合いを強めてきたように感じた。今作では特に、ギター・ソロにおける絶妙なピッキング、繊細なタッチ、“泣き”のトーンが鮮明に捉えられている。
ソロ弾きまくりのままフェイド・アウトしていく曲が目立つのも、“らしさ”への配慮だろうか。
お気に入りの曲は、4人のシンガーが歌い継ぐ2曲、勇壮な《Warrior》と胸焦がす《The Last Supper》、荘厳なオルガン、性急なリフ、ドゥギーの熱いヴォーカル三位一体の名曲《Take Me To The Church》、ゲイリーの2曲、渋い《Messin' Around》、哀愁の《Livin' a Life Worth Livin'》あたり。
期待したインスト《Salvation》だけは、スウィート・スポットを探しているうちに曲が終わってしまったような印象を受けたが、鳴っているギターの音は申し分ない。
「ギター・ヒーロー」なることばがある。
それがいま、どれほどのアクチュアリティを保っているのか、考えることがある。
しかし、本作を聴けばわかる。マイケル・シェンカーがいること。それが答えなのだと。
