先週Aと登校しているとき、赤信号でAの友達たちと道を渡るのを待ちながら、誰のお父さんが一番背が高いか、という話題で盛り上がっているとき、後ろからAの兄ちゃんのZがやってきた。彼はAと一緒に歩くのが恥ずかしいのだ。でも、嫌な顔はせず、そっとA達に気づかれる前に違う方向に渡る横断歩道に体を向けて、進行方向を変えた。俺はさりげなく無言でグッドサインをした。Zは軽く手を振ってくれた。
Zはいつも家でAのやることをケチョンケチョンにダメ出しをする。「気持ち悪い」とか「バカ」とか、けっこうきつい言葉を使って。でも、それは愛情からくるAに対する心配の表れだと理解している。例えば、家族のみんなは一緒に寝ていて、俺だけ違う部屋で寝てるんだが、先週末の夜中、Aが俺の部屋に移ってきて、朝、俺のベッドで寝ていた。すると朝六時過ぎ(普通は絶対に起きないような時間)にZが入ってきて「Aいる?」と聞いてきた。「いるよ、ここで寝てるよ」というと「はい」と言って、部屋から出て行った。この行動にすごく彼の愛を感じた。
思春期というただでさえ訳の分からない、大変な時期に障害のある弟がいることは彼にとって難しいだろうし、色々葛藤があるに違いない。俺には全くわからない大変な思いをしているのだと思う。そしてそこに対して十分配慮できていない自分もいる。私はZのちょっとした反抗にカチンときて、ブチ切れてしまうことさえたまにある(毎回反省して謝罪するようにしているが、それにしても残念だ)。それでも彼はちょっとしたところでいつも弟を心配している一面を見せる。素晴らしい奴だ。こんなお兄ちゃんがいてAは幸せだと思う。
