
ひさしぶりの角田さん
事件記事=三面記事をもとに描かれた6つの短編小説。
作者の角田光代さんは、家族をテーマに小説を描き続けていて
この作品でも人と人とのつながりの
あやうさとか、はかなさみたいなものがひしひしと伝わってきます。
それぞれの物語の主人公は皆、人とのつながりを求めて、求めて、
求めたあげくに事件へとつながっていく。
なかでも、介護を続けていた認知症の母親を息子が殺めてしまった事件を元に描かれた
「光の川」は、モチーフとなった事件が記憶にあったのもあってか、
冒頭から涙なくして読めなかった・・・。