
少し前に読み終えた、
結婚をテーマにした山本文緒さんの
短編集「紙婚式」。
印象的なフレーズをメモ。
「おしどり」というお話の中で、
主人公の兄が、一人の女性を愛し続ける、ということについて
語った言葉。
「これは決心じゃなくて、確信なんだ」
これを聞いた主人公は、決め事を破りそうだからするのが「決心」であって
自分の心の中に静かに存在するのが「確信」だと悟ります。
読んだ瞬間、鳥肌が。
そうなんだよ、結婚てそうなんだよ。
と、まだ1年も経っていないあたしが言うのもなんですが。
なんか、こう、パートナーに対して、
「あ、このままずっといるんだろうな」
と、ごくごく自然に思えた瞬間の気持ち、
それがずーっとずーっと続く感じ。
これが確信なんだろうな、と
自分のことに重ね合わせて、あらためて実感。
と、同時に、こう感じたことを
「忘れちゃいけない」ような気がして、
そのページに折り目をつけて
思い出しては、読み返しています。
本自体は、一見普通の平穏そうな結婚生活の中で織り成される、
男女のさまざまな心模様を描かれています。
普段は、お腹の中でぐるぐる渦巻いている感情の波が、
文字の間からにじみ出て、とてもリアルにぐっと心に迫ってくる感じ。
実際、幸せとかきれいに見えるものなんて
ちょっと透かしてみたら、案外、黒くて、はかなくて、陳腐ものなのかもしれない。
それを気付いてたり、気付かないふりで
ふたりでバランスとっていくような。
ううむ、結婚て深い。
そう思わせてくれた一冊でした。
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