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松本幸四郎・松たか子、親子で映画ナレーションに初挑戦

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 歌舞伎俳優の松本幸四郎と女優の松たか子が28日、東京都内の録音スタジオで、BBC(英国放送協会)製作のドキュメンタリー映画『ライフ ―いのちをつなぐ物語―』(9月1日公開)の公開アフレコと記者会見を行った。松本が「父親というのは人間も動物も後ろ姿は寂しいですね」としみじみ語ると、娘・たか子は「自分の後ろ姿は見えないでしょう」。すかさず松本が「父親というのはだいたいそういうものなんだ」と跳ね返す微笑ましい親子の掛け合いを見せながら、映画のテーマである“いのち”の営みについて、互いの思いを語った。

【写真】親子アフレコの様子

 二人の共演は、ミュージカル『ラ・マンチャの男』(1995年初演)やドラマ『烏鯉』(TBS系、1998年)、書籍『父と娘の往復書簡』(文藝春秋刊、2008年)でもあり、映画作品では『4月物語』(1998年)、『HERO』(2007年)以来、3度目の共演。ナレーションの仕事での共演は今回が初めてとなる。

 「たか子が『お父さん一緒にこの仕事をやりましょうよ』と言ってくれたので、引き受ける決心ができた」という松本は、「収録中は父も娘もないライバルですから、少しでも父親の方がいいナレーションだったと思っていただけるように、その一心でやらせていただきました」と冗談交じりに嬉しそうに話した。

 松は「ナレーションを父と一緒で分けあうアイデアが非常に面白い。個人的にBBCのドキュメンタリー番組が好きでしたので、これはやりたいと思いました」。実際に、父と二人で収録を行い、「ナレーションでは、芝居とはまた違う私たちにしかできない掛け合いが生まれたらいいなと思っていましたが、収録は緊張したけれど、父に合わせつつ、主張もしつつ、やっていて楽しかった」と満足げだった。

 日本版のサブタイトルにもなっている“いのちをつなぐ”ことについて、松本は「亡き父が言っていたことを思い出しました。歌舞伎の世界の襲名とは“襲命”であると。われわれも“いのち”を受け継いできた」と感慨深げに語り、「傷ついたり、心が荒むような日常を送っている人が多い今の世の中、人間も生きものであり、忘れかけていた生きものとしての生き方を発見していただけると嬉しい」と願った。

 「たか子は小動物系だと思っていたが、人妻になって(肉食獣の)ヒョウとピューマに変わった」と記者たちの笑いを誘っていた松本だったが、松の子作りに話題がおよぶと「父親には刺激の強すぎる話ですね」とやんわりといさめ、娘を気遣う場面も。松自身は「私のライフは宙に浮かんでいます。いつ頃にといったことは考えないことにしています」と答えていた。


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新国立劇場オペラ部門・尾高忠明芸術監督のシーズン1年目最後の新演出作品、モーツァルト作曲「コジ・ファン・トゥッテ」のゲネプロが5月26日に行われた。

新国立劇場オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」の写真

「フィガロの結婚」「ドン・ジョンヴァンニ」を手がけたモーツァルト(作曲)とダ・ポンテ(台本)の黄金コンビが制作したオペラ「コジ・ファン・トゥッテ」は、二人の男性が恋人の貞節を試すため、互いの相手を口説いたら、恋人二人とも心変わりしてしまうという恋愛喜劇だ。いわゆる恋人交換ゲームがテーマなため、1790年の初演以来、長らく不道徳とされてきたが、20世紀以降に再評価。男女の感情の機微を細やかに描いた作品として、モーツァルトのオペラのなかでも最高峰のひとつに数えられている。

この18世紀に書かれた恋愛心理劇を、フレッシュな現代ドラマとして再生するために、演出を手がけるのはダミアーノ・ミキエレット。ミラノとヴェネツィアで演出と現代文学を学び、2008年のロッシーニ・オペラ・フェスティバル「泥棒かささぎ」の演出で一躍注目を集めた、イタリアの話題の演出家だ。

今回の新制作では、登場人物に存在感や現実味を与えるために、舞台設定を原作の18世紀末から現代のキャンプ場でのバカンスに置き換え。主役の男性二人、フェルランドとグリエルモが、バイク乗り風の男に変装し、互いの恋人たちを誘惑していくという、どこにでもある男女の夏の一コマとして描く。

「舞台は若者たちのキャンプでのバカンス。そこでは周りに様々な誘惑がありますす。また自然があふれるキャンプ場では、人間の本能が自然の中でさらけ出されるという効果があり、これこそが『コジ・ファン・トゥッテ』のテーマ。劇中でドン・アルフォンソが語るセリフに『人々は社会的な枠組みを離れると、自らの本能に立ち返る』というものがありますが、キャンプ場の自然の中でそれが露わになるのです」と語るダミアーノ・ミキエレットの演出は、200年の時を越え、モーツァルトのオペラを現代に生きる私たちにも説得力のある恋愛心理劇として示すだろう。

新国立劇場オペラ「コジ・ファン・トゥッテ」は、5月29日(日)から6月11日(土)まで全5公演が開催される。チケットは発売中。


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【TVクリップ】

■「鈴木先生」

テレビ東京、毎週月曜午後10時

 ポーカーフェースを崩さない。自身の性格を一言で表すと? と尋ねると、「自分の中でこうと決めたくない。役者ですから、真っ白な状態を作っておくことが大事」と、サラリとかわされた。

 大学卒業後、文学座で活躍。平成14年に舞台「BENT」の主演に抜擢(ばってき)され、蜷川幸雄作品では圧倒的存在感を見せるなど、演技力の高さは誰もが知るところ。昨年は、NHKドラマ「セカンドバージン」で、鈴木京香ふんするキャリアウーマンとの不倫を大胆に演じ、話題をさらったばかり。役に入り込むタイプといい、「今は『鈴木先生』のことしか考えられない」。

 原作は文化庁メディア芸術祭マンガ部門で19年、優秀賞を受賞した同名マンガ。学園ドラマといえば「ごくせん」「ルーキーズ」といった熱血教師が思い浮かぶが、鈴木先生はクールな思考力で生徒たちに“覚醒”を迫っていく、いわば頭脳派だ。

 「このドラマのおもしろさは、学校のいい部分だけでなく、ダークサイド的部分も描いているところ。展開される出来事のすべてが今の中学生のリアルだとは思いませんが、主軸にあるのは、社会全般につながる話だと感じます」

 鈴木先生が突きつけられる事件は毎回、きれいごとや正論では片づけられないものばかり。1話では中学生の男子生徒と小学4年の女子児童の性行為というセンセーショナルな事件も持ち上がる。「今の子供たちはフィルターをかけるのがうまい。感情を表に出さない。自分の中にポリシーとか、答えが用意されていれば、教師をやろうと思えるかも」

 自身の中学時代といえば、バスケに熱中するスポーツ少年だった。人生になくてはならないものと言い切るのは映画。小学時代から「年100本は見ていた」という強者だ。

 きっかけは3歳のころ、父親と映画館で見た「レイダース/失われたアーク〈聖櫃〉」だった。「ドキドキ、ハラハラするこの気持ちはなんだろうと追求しだして、ホラー映画ばっかり見だしたり」。とことん何かに入れ込んでいく熱いハートは、子供時代から変わらないようだ。(三宅陽子)

 <はせがわ・ひろき>昭和52年、東京都出身。大学卒業後、舞台を中心に活動し、蜷川幸雄演出の「カリギュラ」などに出演。平成20年、「四つの嘘」でドラマに進出。以後、「BOSS」「ギネ-産婦人科の女たち」など話題作への出演が続いている。

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