世界最悪レベルと言われているジャカルタの悪名高い交通渋滞。もちろんジャカルタに住む人にとっても良いものではありませんし、ましてやこれから飛行機に乗ろうとしている人間にとっては読みにくい時間も致命的な弱点でありました。
かなり余裕を持って行動しないと痛い目に合うことになりますし、拍子抜けにスンナリ行ってしまえば暇な時間を持て余す事になり、もっと色々できたのになぁと思うこともしばしば。
そんなモヤモヤを解消できる秘密兵器が延期に延期を繰り返しましたが、とうとう開業しました。
早速乗ってきましたのでレポします。(画像が昼間に撮ったものと夜間に撮ったものが混ざっていて時系列的にチグハグな所が多少ありますがご容赦ください。)
まず鉄道駅は空港内のどこにあるのか?
スカルノ・ハッタ空港(以下 SHIA とします)には三つのターミナルがあります。
T1 GA以外のインドネシア国内線
T2 国際線 (GA、スカイチーム所属以外の各エアラインですが例外も有るので注意! JALANAはココ)
T3 国際線、国内線(GAとスカイチーム所属の各エアライン、エアアジア系も一部)
と、使用ターミナルはざっとこんな感じですが非常に複雑なので注意です。
そして各ターミナル間をスカイトレインという無料のピープルムーバーが結んでいます。これも最近出来たもので現状はソフトオープンといった感じです。 KIXやチャンギみたいにエアサイド側の移動に使用するというものではなく完全にターミナル外にある誰でも使用できるタイプなので意外と時間が掛かるので注意が必要です(運賃が無料のポートライナーやゆりかもめみたいな物と思ってください)。
運航は現状ではとても高頻度というわけではなく普通に時刻表があり駅で待って乗るという感じです。
運行ルートは
ターミナル1(T1) --- 鉄道駅 --- ターミナル2(T2) --- ターミナル3(T3)
となっています。循環ではなく往復です。 当日は13分間隔で運行していました。
某サイトに鉄道駅はターミナル3に鉄道駅が直結しているような書き方がされていましたが駅は完全に別個として存在しているので注意が必要です。
現状ではターミナル3はスカイトレイン駅と直結していますが、ターミナル2は工事中で一度ターミナル外に出て道路を渡って行く必要があります。
▲ ターミナル2の出発階からスカイトレインの駅を見た様子。 画像にはターミナルEとありますがABCがターミナル1、DEFがターミナル2とややこしいです。
まずはスカイトレインに乗って鉄道駅を目指します。ちなみにスカイトレインはホームが完全隔離ドアタイプでまともな写真が撮れなかったので割愛します。
▲ 運行間隔はこんな感じ。 画像はスカイトレインの鉄道駅...駅?←になるのかな? にて撮影
スカイトレインの駅と鉄道駅の間もまだ完全には完成していなくて仮設の通路を通らないと行けません。
通路の途中にはターミナル4建築中のお知らせがありました。 キャパシティーを見る限りLCC用のターミナルっぽいですね。
いよいよお待ちかねの空港駅です。出来たばかりなので当たり前ですが綺麗! そして人が居ない…。
▲ 入口側よりホーム方向を望む。 天井からぶら下がった光球がオシャレです。
▲ 券売機 現金は使えないの注意が必要です。 購入は簡単です、もし判らなくても係のお姉さんが常駐しているので丁寧に教えてくれると思います。チケットカウンターらしきものは見当たりません。
▲ チケットはKLIAエクスプレスみたいなペラペラのタイプ。 バーコードを読ませて改札を通ります。
料金はSHIAからスディルマン・バル迄で IDR 70K(≒JPY560)。 終点のマンガライ迄だと100K(JPY780)です。因みにスディルマン・バルからマンガライまで3km程でローカルならIDR 3k位? ボッタクリにも程があります。そら地元に人は乗れない乗らない筈だわ。
▲ カフェ?と見紛う立派なウェイティングエリアもありますが各席に電源はありませんでした。奥の青とオレンジの箱の様になってる場所には電源がありました。 それにしても人が居ない(笑)
▲ 人がいな…以下略
▲ ホームは頭単式で2面4線です。この構造からしてT3等への延伸は考えていないと思われます。
完全隔離タイプのホームドアなので涼しくて良いのですがまともな写真は撮れません。
現状では上手くスカイトレインに乗り継げたとしてもT3へは最低でも20分以上は見ておかないと危ないです。
▲ 車両はインドネシア国産のINKA社製。デザインがイマイチ垢抜けてませんねぇ...でも国産というのは立派です。 SHIA駅ではまともな写真が撮れなかったのでスディルマン駅での写真です。続いて車内へ…
▲ 外観に反して(失礼!)車内は良い感じです! シート配置はいわゆる集団お見合い式となっています。 今のところ座席の指定は無し。
▲ お見合い部分
▲ 片持ち式なので足元は広いです。 シートピッチも十分です! 多分1000mm位はあると思いますので日本の特急レベルです。台北-桃園MRT直達車の地獄のような狭さとは比べ物になりませんね。
▲ おまけにリクライニング付き! しかも結構倒れます。
▲ シート間にはUSBポートも完備されています、 律儀にアンペア表示まであります。二つあるので喧嘩にはなりませんが俺が2.1使うとか言い争いなったりして(笑)。
▲ 空港アクセス用なので荷物置き場もバッチリです。奥の扉は男性用のトイレ
▲ 勿論、普通のトイレも完備
途中の停車駅は
SHIA
↓
BatuCeper (バトゥ・チェペル) タンゲラン線との分岐駅
↓
Duri(ドゥリ) タンゲラン線への乗り入れの為、進行方向が変わります
↓
Sdirman Baru (スディルマン・バル) 新スディルマン駅 空港線専用の駅でKRLは止まらないので注意。
この駅は別名として BNI City とも呼ばれます。昼間はモナス、ブロックM方面へ駅前からトランスジャカルタに乗れますが夜は早い時間で終わるみたいです。スディルマン通りのトランスジャカルタ乗り場へは結構歩きます。タクシー寄せ有り。
↓
Mangarai(マンガライ)
ここからはジャカルタ市街側の新スディルマン駅の説明です。
この駅は空港線専用の駅なのですが滅茶苦茶無謀とも思える場所に設置されています(汗)
何故かと言うとKRL(通勤線みたいなもの)のスディルマン駅と同じくKRLのカレット駅の間の本線上に造られています。両駅は1kmも離れていません(笑)。大げさに例えるならば山手線の東京と有楽町間の本線上に空港線専用の駅を造ってしまったと言えばどれくらい無謀か伝わるでしょうか?
そして画像を見て解ると思いますが通過線はありません!(笑)、空港線ですから乗り降りもそれなり時間が掛かるのでこの駅では5分程停車します。本線上にどっかり5分…この設計はまだまだ成長し続けるインドネシアで絶対後悔すると自分は確信しています。
▲ 奥をよーく見ると薄暗いですがカレット駅が見えます。多分、駅端間で200m位しか離れていません。
▲ 色は変われど一目で元東京メトロって判る車両が走っています。KRLはこの駅を通過します。
▲ スディルマン・バル駅はピッカピッカでガッラガラです。
まだソフトオープンの段階だとは思いますがあまりの人の少なささに心配になってしまいます。
実際、行きも帰りも乗車率は20%いってないと思います。 理由としては切符が駅の券売機では現金が使えない(有人で販売しているかは不明ですが、有人のチケットカウターらしきものは有りませんでした)のでネットを通して買うしか無いってのがあると思います。そして地元の人から見れば料金が高すぎるのでしょう。しかし、ジャカルタはKLやBKK、SINよりは外国人が少ないとは言え殆ど見受けられなかったのが不思議でした。タクシーが安い国なのでみんなそっちを使うのか?、ダムリのリムジンバスの方が安いからか?とは思いましたがどちらもどちらも渋滞に巻き込まれる可能性が高い存在です。最大の懸案事項である渋滞リスクを考えると安心を買うと思えば高いとはいえ何故これ程までに人が少ない理由が良く分かりませんでした。
考えてみれば空港のターミナル内に駅の方向を示すサインみたいな物は無かった気がします。スカイトレインはあったけど、駅が各ターミナルに直結してないので鉄道の存在そのものを知らない人が多いのではないか?と推測してます。
因みに時間は正確でした。 各駅で5分近く停車するので充分な余裕があるのだと思いますがピッタリ定刻で運行してました。万が一KRLが絡む遅れが発生しても空港線は最優先で運行すると思われます。
走行スピードはお世辞にも速くないです。車内のインフォディスプレイで速度が出るのですが表示する意味あるのか?っていう感じがしました。 平均して50km/hはいってないと思います。 スピードの点ではKLIAエクスプレス等とは比較にならないなと思いますが、空港アクセスで時間が読めるってのは何物にも代えがたい気がします。
以下は途中の車窓からとなります。
▲ 通過中のタナ・アバン駅 色は違えど見覚えのある車両が見えました。
▲ 再び東京メトロ
▲ 空港を約半周します。 ジャンボが沢山駐機されていました。考えてみると電車の中から空港がじっくり見られる事って無いよな~と思いました。 因みにじっくり見たい方Duriの駅で進行方向が変わる事を念頭に席をお選びください(笑)。
最後に、自分みたいな弾丸旅行者にとってジャカルタは行きづらいところでした。滞在が30時間しかないのに渋滞に嵌って往復5時間+空港に3時間とかになってしまうと、流石に行く意味あるのだろうか?と思ってしまうからです。 安定して時間が計算出来る交通手段はとても有難いものです。
これからはジャカルタに訪れる機会も増えそうな気がします。
長文になってしまいましたが、最後までお読みいただきありがとうございました。