特別講習は実に厳しく


気の優しい講師とキツイ講師が日によって交代の


7時間を約2週間設けてもらい


殆どの時間みっちり叱られ続けた。


気の優しい人は雰囲気のとおり優しく


教え方もなるべくイメージしやすいように


分かりやすく教えてくれた。


キツイ講師は雰囲気からして刺々しく


空気が常にはりつめていたけれど


お昼時には買ってきたパンを沢山広げて


好きなの食べな


と一つ一つどんなパンか説明して好きなだけ選ばせてくれた。


この人もきっと優しい人だなと思った。


そう思ったからこそキツイ言葉がよりダメージを増やした。


触りかたが気持ち悪い


これが一番こたえた言葉で


どのように触れても気持ち悪がられるので


触るのがとても怖かった。


ただでさえ女性に対しての苦手意識があるのに


手をはねのけられたり


叱られるともうどうしていいかわからず


泣くのを堪えることに必死だった。


手技を上手く施せるようになりたい気持ちより


怒られないように


そればかり気にしていたから


何をしに行ってるのかわからなくなっていた。



最終日なんとか合格をもらったが


自分自身では全く感覚が掴めていない。



最後に私をお客様だと思って施術して!



と言われ不安で全身が震えた。


半ばヤケクソで施術を始めると


受けてらんねえわ!!!!


と講師はぶちギレて私の手を思いっきりはね除ける。


全然ダメだ。。ともう堪えきれなくなった涙を


上を向いて抑えたけれど


我慢しようとすればするほど


ボロボロと溢れてくる。


何の涙なん?!誰のための涙なん?!


と更に追い討ちをかけられ


涙腺は完全に崩壊した。



不安で不安で堪らない。


明日から本番なのに完璧にできない。


施術を習うより怒られないようにに意識を向けすぎて全然集中出来ない。


出来てると言われても何が出来てるかわからない。


このままお客様に触れるなんてできない。


私には向いてない逃げ出したいもうやめたい。


色んな言い訳が頭に浮かんだけれど


ここまで必死に教え続けてくれた講師に申し訳なくて


ただ黙って上を向き続けた。


暫く私を眺めていた講師は静かに話し出した。


良いと思ったから合格出したのよ


自信もってやって。


貴女がダメな施術をしたら


犠牲になるのは期待してきてくれたお客さん。


それだけは忘れずに


明日から頑張ってね。



素直に はい と言えなかった。


怖い


明日が怖い。


講師に深々とお辞儀し


この数日間の感謝を述べて部屋を出た。


もう怒られないという安心感と


明日から今日までよりも


もっと怖いことが起こると予想し


絶望し項垂れてトボトボと帰った。