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誰が名付けたボブ日記

ボブ日記とは人間の高みに達する為にあえて低俗な事を書いています('ε'*)ボブ自身高貴で可愛いですが、人前でtin×2を晒す覚悟で書いています\(^o^)/



※このお話を読む前に【カブト①、②】を先に読むことをお薦めします。カブトの同期の男のお話です。テーマ別[喧嘩・格闘技]









世界がブラジリアン柔術の存在を認識し、その強さを知った頃


ブラジリアン柔術を相手にしても連戦連勝を続ける日本人がいた


総合格闘家・反町隆広(そりまちたかひろ)


世間は


反町の投げに


反町の関節に


反町の絞めに


反町のパウンドに


熱狂した


だが世間が熱狂する中、突然リングを降りる




「あきちゃった」















反町は『空気の読めない格闘家』と言われていた


それは反町が高校を中退しプロレスラーになったその日にはつけられていた通り名だった


大和(ヤマト)プロレスの入門テストはシンプルだった


ヒンズースクワットが1万回できる事


薩摩「声出てねーよ」
「声を出せ!!!!!」


大和プロレスコーチ兼選手
薩摩柿之介


グンッグンッ(足腰を上げる若者3人)


「9061」
「9062」
「9063」
「9064」


1万回という数はすでにレスラーとして必要な筋肉がてきていた反町にとっても楽な数ではなかった


新人3人「ハァーハァーハァー」


薩摩「よーし!3人とも合格だ」
「今から俺が相手をしてやる」


1万回のスクワットにふらつく足の新人にプロの厳しさを教える


薩摩柿乃介の一番幸せな瞬間だった


パンパン(一人目が絞められながらタップする)


グググッ(力を緩めない薩摩)


タップを無視して絞め続ける


グググッ(更に力を加える)


力の違いをみせつけるために落ちるまで絞め続ける


最高に幸せだった


薩摩「次!!」
「反町上がれ!!」


立つ事もままならない足でリングに這い上がり


あっという間のできごとだった


薩摩「高校中退で喧嘩好きの反町君、本気出してもいいからね」
「プロの厳しさを教えてあげるよ」


アゴに掌低を入れ倒れたところを極めていた




反町がーーーーー


一同「!?」


薩摩は唯一極められていない左手でタップするが


トントン(反町の肩をタップする)


反町は無視しさらに力を込める


最初に外れたのはダブルリストロックで極められた右肩


ゴッ(右肩が外れた)


右肩が外れるとすぐ薩摩は落ちたが


それでも反町は技を解かずに絞め続けた


先輩レスラー「やめろ!!バカやりすぎだ!!!」
「殺す気か!?」


反町「本気出していいって言ってたから・・・・・・」
「プロの厳しさを教えてやるとか言ってたから・・・・」
「世間の厳しさを教えてやろうかと思って・・・・・・」


空気の読めない男だった













阿南「おい!薩摩さん帰ってきたぞ」
「行ってこいよ」


反町「阿南が行ってくれよ」


阿南「なんで俺が行くんだよ俺は関係ないだろ」


薩摩のところに行く反町


薩摩「まあ・・・・事故だ気にするな」
「それより反町ーーー」


ポン(反町の肩を叩く)


薩摩「お前は強くなるぜ」


反町「何わけのわかんねー事言ってんだよキモイんだよ」
「俺ら練習で汗かいたからダッシュでポカリ買ってこい」


薩摩「殺すぞ!!」


今度は左肩を外した


ゴッ(技をかけて外す)


薩摩「ぐわぁぁ」


空気の読めない男だった


先輩レスラー「何やってんだよ!」


反町「??腕がらみ?」


先輩レスラー「技の名前を聞いてんじゃねーよ!!」











その後、反町は修業という名目で欧州に渡りヨーロッパヘビー級チャンピオンになる


同期入門の阿南は日本に残り


マスクをかぶってカブトというリングネームで活躍し


日本プロレス界の隆盛を築くが


その阿南の懲役によりプロレスのテレビ中継は終了し衰退を迎える


日本プロレス界の衰退を防ごうと大和プロレスは欧州にいる反町を呼び戻すが


シナリオのある試合に嫌気がさしていた空気の読めない男・反町は試合をする事を拒否し事実上の引退となる


だが思わぬ所から反町に声が掛かる


プロレスの衰退とともに隆盛を迎えた総合格闘技からの誘い


そこには反町の嫌うルールはなかった


《最後はジャーマンで勝ちます》


《体固めからのカウントは2.5のギリギリで返してください》


《青汁を反町さんの顔に吹きかけるので避けずに浴びて目を押さえて苦しんでください》


反町が誘われた総合にはそんなルールはなかった


本気で殴り倒してよかった


勝ち続けて勝ち続けるだけで


会場を沸かせた


ミスタープロレス生野勘助がその人気に目をつけプロレスの復興に利用しようとした


生野「大和プロレスには戻らなくていいから俺と試合をしろ」
「試合のルールはオープンフィンガー着用の総合ルール」
「最後は俺の腕を折って勝て」


俺の腕を折って《勝て》


表向きのルールは総合だったがーーー


プロレスだった




「あきちゃった」













反町を格闘界から引退させないようにあらゆる団体・テレビ局から破格の条件が提示されたが


反町は相手にせず田舎に帰り団地で同居する母親の年金で生活するようになる


最初の数年はマスコミも団地住まいの反町を追いかけていたが


それすらもなくなった現在ーーー


グンッグンッ(早朝にヒンズースクワットをする反町)


反町「99991」


「99992」


「ハァーハァーハァー」


「99993」


「99994」


「99995」


反町はひたすら牙を研ぎ続けていた


いつかは許される阿南の仮出所に備えて


「99996」


いつか帰ってくる山本陸と戦うために


「99997」


あるであろう・・・・不確定なその時のために


「99998」


ひたすら牙を研ぐ


「99999」


まだ知らぬ強敵のために


「100000‼」


牙を研ぐ!!!