登場人物
◆杉本◆
名を佐一。不死身の杉本の異名を持つ屈強な軍人。割りとイケメン
◆梅子◆
佐一の幼なじみ。一時期、佐一と付き合っていた
◆寅次◆
同じく佐一の幼なじみ。梅子と結婚した
◆アシリパ◆
現在、佐一と共に金塊を探すパートナー。アイヌの女の子。猟に詳しい
アシリパ「チロンヌプゥ」
「キタキツネの足跡だ」
杉本「へぇ・・・キツネの足跡は一直線になるんだな」
アシリパ「前足が後ろ足に重なるからだ」
「犬はもっと肩幅があるから足跡が広がる」
「狸はもっとフラフラ歩く」
細長い丸太の立ててある場所に着いた二人。
二股にわかれた丸太の先には魚がくくりつけてある
アシリパ「これはキツネ用の罠だ」
「キツネが魚を食べようと飛び上がると」
「前足がこの二股の部分に挟まる仕掛けだ」
杉本「キツネって美味いの?」
アシリパ「あんまり美味くない」
「タヌキのほうが脂が多くて美味い」
「でも杉本」
「キツネも食べてみたいだろう?」
杉本「俺はべつに北海道の珍味を食べ尽くしに来たけわけじゃないんだけどなぁ」
アシリパ「あ!杉本、静かに」
「あれを見ろ」
「エゾフクロウの《つがい》だ・・・・」
杉本「エゾフクロウって美味いの?」
アシリパ「プーッ」
「オイオイ杉本ぉ~・・・・」
「食べるわけないだろ!!」
杉本「いや知らねーし」
アシリパ「私達は【夜泣く神《クンネレクカムイ》】とか【獲物を降ろしてくれる神《イソサンケカムイ》】などと呼んでいる」
「ヒグマ狩りと関係があるからだ」
「夜にこの鳥が鳴いた方向を追いかけると必ず羆(ヒグマ)がいる」
「だからアイヌの猟師はエゾフクロウを獲らない」
杉本「あんなにギュウギュウに寄り添って・・・・」
「仲がいいな」
アシリパ「エゾフクロウは一生同じ相手と暮らす」
「それなのに毎年この時期夜になると鳴き合って求愛するんだ」
杉本「へぇ~一途だね」
アシリパ「不安だから相手の気持ちを確かめ合うんじゃないか?」
杉本「・・・・」
「もし片方が死んだときは?」
アシリパ「その時は別の相手を見つける」
「子孫を残すためには当然のことだ」
杉本「・・・きれいごとじゃ生きてけねえもんな」
~~昔を思い出す杉本~~
パチパチッ(村の隅で独り焚き火にあたる杉本)
そこに一人の五つ紋付羽織袴を来た男が来た
杉本「寅次!」
「お前・・・花嫁をほったらかして来たのかよ」
寅次「佐一が家に戻ってるのを見たって奴が・・・・・・・・」
「何で戻ってきた!!」
ガバッ(杉本に掴みかかる寅次)
寅次「今頃になって梅子を連れて行く気か!!」
ババッ(投げようとする寅次)
寅次「おおおお」
バァン(逆に投げられる寅次)
寅次「ぐおっ」
杉本「結婚おめでとう寅次」
スゥーー(涙を流しながら掴みかかる寅次)
寅次「佐一・・・!!」
「お前は気にも留めてないだろうがな・・・」
バッバッ(激しい掴み合い)
寅次「俺は子供の頃から何一つ佐一に勝てなかった!!」
「柔術でも剣道でも」
「いつだって俺の前に佐一がいた」
「梅子の中にもずっとお前が・・・」
「でも女ってのは男ほど昔の相手に未練を持たないらしいけどなっハハンッ」
「母ちゃんが言ってたぞ!!」
ブンッ(投げられる寅次)
寅次「ぎゃーっ」
「佐一が梅子のそばにいれば大事にしていたかもしれんけどなぁ!!」
「俺はそれ以上に大事にする」
「お前に勝てるとすればそれしかないんだ!!」
「梅子の中にまだ佐一がいようがいまいが・・・・関係ない!!」
「俺は惚れた梅子を幸せにする!!」
「それだけだ!!」
それを聞いた杉本は嬉しそうだった
その数年後、戦争が始まり駐屯兵団で話す機会に恵まれた二人
寅次「佐一・・・・・・・・」
「お前に謝っておかなきゃならんことがある」
「あんだけお前に啖呵を切ったのに」
「数日後に馬鹿なことを梅子に聞いてしまった」
寅次「梅子・・・・・・・・お前も知っているんだろう?」
「結婚式の日、佐一が帰ってきていたのを」
梅子「・・・・・・・・・・・・」
「はい」
寅次「梅子・・・・・・・おまえは佐一が戻ってきたらどうする?」
「佐一がお前を連れていったら・・・・・・」
[俺がそう言ったら梅子のヤツ・・・・]
梅子「そのときは佐一さんをぶっ飛ばしてください」
「それでもまた寅次さんが負けたら・・・」
ニッコリと微笑む梅子
梅子「そのときは私ひとりでこの家に戻ってトラちゃんが泣き止んで帰ってくるまでにごはんを作って待ってます」
そう聞いた杉本は嬉しそうだった
杉本「・・・・・・変わってないな梅ちゃんは」
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お墓の前で手を合わせる小さな子供の後ろで話をする女性二人
母「歳は40過ぎてるけど裕福で素敵な男性でね」
「奥さんと子供を亡くして跡継ぎが欲しいんですって」
「梅子の話を聞いて会ってみたいらしくて」
「梅子は美人だしまだまだ子供も産めるんだから・・・・」
梅子「お母さん!!」
「ここでそんな話はやめてください」
母「でもこんないい話無いわよ?」
アシリパ「キツネの罠を見に行こう」
「獲れてるといいな?杉本」
杉本「キツネ・・・どんな味か興味が出てきたぜ」
「まずは《生きねば》」
別の場所で同時に空を見上げる杉本と梅子ーーーーー
いい話でしょ






このお話を見付けた時は年代的に明治末期くらいだし、ボブの前世だと思いました





原作だとこのあとキツネの罠を見に行ったら、仲間の白石がハマってていい話が台無しとなる展開に





・・・・
・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
ボブのこれから言うこともこのお話を台無しにします





ボブと番(つがい)になってくれる女性を探しています





一時的な番(つがい)でも一向に構いません





つまりはその・・・・梅子のようなボブを一途に愛してくれる従順な○人形みたいな女性を募集中・・・・つまりはジンアイ(○人)募集の広告と思ってくださっても構いません





だから台無しでしょ






一途に亡くなった夫を愛する女にムラムラ、つまりは【欲情】したんだよぉ~~~許してくれよぉ~~~





ちなみに寅次はブサメンで戦争であっさり死ぬような男なので、【不死身の杉本】のような【不屈のボブ(おもにtin×2)】が欲しくなった女性はトークかメッセージをくださいね




