おはようございます。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家、川合です。




さて、「人はなぜ嘘をつくのでしょうか?」とても興味深いテーマですね。

嘘をつかれた方はすごく嫌な気持ちになります。

例えば、「オオカミ少年」の話のように、嘘によって、多くの人に迷惑がかかることもあります。

しかし、悪気の有無を問わず、つい嘘をついてしまうのが人間なのではないでしょうか。



「嘘つき脳」を世界ではじめて検証した実験があります。

2014年、こころの未来研究センターの阿部修士氏らは、この点についての研究を発表しました。

実験は、28名の参加者にコインを投げて表が出るか、裏が出るかを予想してもらいます。

ルールでは、予想を当てた分に応じて賞金がもらえますが、外すと手元の賞金はその分減っていきます。

参加者は次の2群に分かれました。

A群
事前に自分の予想をボタンで知らせる義務があります。

不正はできません。

B群
心の中で予想をするだけでよく、予想は自己申告で構いません。

嘘をついて賞金をもらうこともできます。

結果、B群では偶然値を上回る予想一致数を申告する「嘘つき」が登場しました。

ゲーム中の参加者の脳活動は、fMRI(機能的磁気共鳴画像法)を用いて計測されました。

そこで分かったのが、「嘘つき脳」の特徴でした。

嘘をついた参加者の脳では、側坐核(そくざかく)と呼ばれる領域が特に活性化していました。

ここは何らかの報酬を期待する時に活性化する部位です。

今回でいえば「お金」です。

人が嘘をつくのは、それにより何らかの報酬が得られる期待が高まっていたからです。

もっとも側坐核が強く活性化していた人のすべてが嘘をついたわけではありません。

強烈に報酬を期待したにも関わらず、正直を押し通した人の脳では、背外側前頭前野(はいがいそくぜんとうぜんや)という領域が活性化していました。

この領域は、情動を調節し記憶・認知・意欲に関与します。

いわば脳の「やる気スイッチ」、「前向きアクセル」です。

よく誘惑への葛藤の場面を、天使と悪魔の会話で表現することがあります。

でもそれは比喩ではなく、本当に脳の中で、天使(背外側前頭前野)と悪魔(側坐核)がお互いに激論を交わしていたのです。

「嘘の後ろに期待がある」

結局、嘘の後ろには報酬に対する期待があるのです。

報酬とは「お金」だけではありません。

人々の注目や称賛もそうです。

もし自分のためにつまらない嘘をつきそうになったら、今の自分が期待している報酬は何かを考えてみてくださいね。

そして、その報酬を手に入れる方法は、嘘をつくことしかないのかも考えてみるといいですね。



ではまた


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家 川合

おはようございます。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家、川合です。




毎日暑いですね。

梅雨だというのに、まとまった雨が降りません。

また、突然の雷雨、雹(ひょう)が降ってきたりして、農作物に被害をもたらしています。

地球温暖化は加速しているようにも感じます。

一人ひとりが、地球に関して、もっと真摯に向き合わなくてはならないと感じます。



さて、エリザベス・ブリオディという著名な人類学者がいます。

人類学を学んだ大学院生は、通常海外にフィールドワークにいきます。


しかし、当時お金がなかった学生のブリオディはそれが困難でした。

そこでブリオディが向かったのはアメリカ国内のコミュティでした。

スペイン語が堪能なブリオディは、南米にフィールドワークにいく代わりに、大学にある外国人清掃業者の職場に溶け込み調査をしました。

そんなユニークな姿勢に、ある大企業が目をつけました。

大企業の名前は、当時世界最大級の自動車メーカーであった、GM(ゼネラルモーターズ)でした。

1980年当時のGMは日本企業に感化され、品質向上を目指していました。

しかし労働者の生産性は下がる一方でした。

労働組合との交渉も効果がありません。

ブリオディはミシガン州の工場に入り、組立ラインの労働者たちのコミュニティに溶け込んでいきました。

ある日、資材担当者が、ロッカーを指差して思わぬことを耳打ちしてきます。

「部品を抱えこんでいる人が多いよ」

なんと相当数の社員が組立の部品をこっそり取り置いて、ロッカーや秘密の場所に隠していたのです。

なぜ、こんなことをするのでしょうか?

当時のGMでは、品質向上の指針のもと、自分が担当する組立ラインでの部品切れは大きな責任問題でした。

そのため責任を問われたくない社員は、あらかじめ沢山の部品を自分でストックしておき、部品切れに対応していたのです。

そしてなんと1日の労働時間の4分の1を、この部品集めと補充に使っていたのです。

さらなる問題は、「責任逃れ」体質からくる社員同士のギクシャクでした。

ブリオディは社員同士の会話を書き起こすと、お互いの責任をなすりつけあう言葉は、褒める言葉よりも約7倍多かったのです。

全く思いもよらないブリオディの報告に、経営陣は衝撃を受けます。

自分たちが見ていたものと、全く違うところに原因があったのです。

GMはそれから時間をかけて社内改革に取り組みました。

その結果、生産性は、1986年から2007年の間に【約54%】増えました。

さらに、業務上の怪我や病気による欠勤は、1993年から2008年の間に【約98%】も減少したとのことです。



人の心は単純ではありません。

表面からでは見えない部分が沢山あります。

そこで必要なのは、しっかり話を聞き、ありのままを観察していくことです。

ちょうど人類学者のように、子どもと向き合い、観察し、言葉をかわすこと。

そんな日常を作っていきましょう。



今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家 川合
おはようございます。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家、川合です。




さて、「セルフハンディキャップ」という言葉があります。

あえて成果が失敗するように、意図的に自分で作り出したり、主張したりする障害を示します。

「そんな事あるのだろうか?」と大抵の人は思うでしょう。

しかし、たとえば大事な瞬間に、他の用事をしようとしたり、物事を先延ばししようと画策するなど、人は時として、自分の自尊心のために
逃げるような行動したりをします。



2013年、東北大学の竹内光氏らの研究チームは、185名の若者の協力のもと、このセルフハンディキャップの調査をしました。

本調査でわかったのは、セルフハンディキャップの傾向が高い人の脳の構造です。

彼らの脳では帯状回という部位の、局所灰白質体積が他の参加者に比べて大きくなっていたのです。

帯状回(sgCG)は、感情の反応を調節する役割があるとされています。

もちろん悲しみや恐怖などネガティブな感情を抑えるのは必要なことです。

しかし、同時にポジティブな感情も感じにくくなってしまうのです。

自尊心のための逃避行動を繰り返すと、人間として大切な「感じる」能力が抑えられてしまうといえます。



ハーバード・メディカル・スクールのスレニ・ピレイは次のように語ります。

「名誉ある撤退」か「敵前逃亡」かは、本人が一番良くわかっています。

そのときは上手く逃げられても、人間らしい感情的な力を失っていくのです。

これは何よりの損失です。

ハードルは下げないようにしましょう。

そしてアプローチを変えていきましょう。

人間の脳はやると決めた瞬間、全く違った光景をあなたに見せてくれます。



今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家 川合

おはようございます。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家、川合です。



さて、サルも人間も持つ愛の仕組みとは、一体なんでしょうか?



ハリー・フレデリック・ハーローは、「愛を科学で測った男」、そう呼ばれた異端の心理学者です。

霊長類の母子の結びつきを調べるために、いろんな実験を行いました。

例えば、一例です。

アカゲザルの赤ちゃんのそばに、下記の模型をを置きました。

①針金でできた母親の模型(哺乳瓶付き)

②布でできた母親の模型

針金でできた方は、哺乳瓶がついています。

サルの赤ちゃんは、一体どちらに行くでしょうか?

通常であれば、サルの赤ちゃんは、①針金でできた母親の模型(哺乳瓶付き)にいきそうです。

しかし、実際は、②布でできた母親の模型の方に長い時間とどまっていました。

つまり、サルの赤ちゃんは、栄養よりも暖かさを選んでいたのです。



「暖かさ」は、霊長類にとって、本当に必要なものなのです。

温かさは、ぬくもりや優しさも伴っているのでしょう。

だから、提供してくれる者に、強い信頼をおぼえることになります。

「お母さんの温もり」、これは人類にとってかけがえのない愛なのかもしれません。


そして、この点は現在も研究がすすんでいます。

なんとも信じられない話ですが、身体の温かさは、心の温かさにつながっていました。

サルも人間も持つ愛の仕組みは、同じですね。


ではまた


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家 川合


おはようございます。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家、川合です。


さて、大きな人生の目的を持った人ほど、ネガティブな出来事から立ち上がりが早いといいます。



<レジリエンスを高める大切な方法>

2013年、ウィスコンシン大学のステイシー・M・シェーファーらは、とても意義のある研究を発表しました。

研究には、それより2年前に行われた、「生きがい」についての大規模調査を受けた331名の男女が参加しました。



「生きがい」とは、人生に目的を持ち、人生経験から意味を見出す態度を示します。

参加者には、次の3種類の性質をもった写真を各30枚ずつ見てもらいます。

1)ポジティブ

2)ネガティブ

3)ニュートラル

ネガティブで陰惨な写真を見れば、誰でもしばらくは嫌な気持ちになるものです。

研究チームが調べたかったのは、そこから回復のスピードでした。

回復の度合いは参加者の眼輪筋の反射速度から客観的に調査しました。

2年前の大規模調査で、「生きがい」を強く持っているとされた参加者ほどネガティブな画像を見たあとの回復度合いが良好だったそう。

このような否定的な刺激については脳は扁桃体という部位でコントロールします。

人生に目的を持ち、その道程から意味を見出そうとする意欲の高い人は、扁桃体反応のコントロールが巧みであるといえるでしょう。

目的といえば、達成するか否かの話ばかり注目されます。

でも大きな目的は持つだけで、人生の見方が変わり、何があっても立ち直る力を与えてくれるのです。

どんな夢や希望であっても、それを常に持ち、意識することはとても大切なことなのですね。

子どもにも、そんな気持ちを持ち続けてもらいたですね。

そして、世の中もそんな受容のある世界であってほしいです。



ではまた


今日も最後までお読みいただき、ありがとうございました。

思春期や反抗期の親子関係を改善し、楽しい家族関係を作る専門家 川合