昨夜の「プロフェッショナル超豪華3人トークスペシャル」にイタリアで活躍するカーデザイナーの奥山清行さんが出演していました。NHKホームページの番組紹介が良くまとまっているので下記の通り紹介します。

 「アメリカ・ドイツ・イタリアと渡り歩き、世界を相手に闘い続けてきた奥山さんが、世界で通用する日本人になるためのヒントを語った。
 まず指摘したのは、コミュニケーションの努力を惜しむなということ。
『コミュニケーションって、思っているうちの3分の1とか4分の1しか伝わっていない。実は、4倍話さないと100%伝わらない』と話す奥山さん。憶せずにコミュニケーションをとり、どんどん恥をかけと檄を飛ばした。『小さな間違いを繰り返し、どんどん恥をかく。そうすれば、結局は大きな間違いをおかさなくて済む』という。
 さらに、奥山さんが口にしたのは、“日本人にしかない独自の感覚”が確かにあるということ。一例として出したのが、「切り捨ての美学」だ。余計なものを切り捨てて、シンプルさを追求しようという考え方は、外国人にはなかなか理解できないのだという。日本人であることに自負を持つことも、世界とわたりあうための条件なのだ。」
 
 私は国際ビジネスマンを20数年間やってきたので、同じ考えを持っています。講義でも良く話すのですが、国際社会では「沈黙は金なり」とか「以心伝心」とかは通用しません。しっかりとした意思を持って自己を表現することにより、対話が進みコミュニケーションが図れます。そして言語はそのための道具であることを認識することが肝要です。
 また、間違いを恐れると何もやれなくなりますから、小さな間違いを気にしないことです。たとえば、言葉についても文法的な間違いを気にし過ぎると話せなくなります。
 もう一つ私見を付け加えると、コミュニケーションを上手く図るためには、まず同じテーブルに着くことが肝要です。つまり、文化や宗教や民族に違いはあっても、お互いに敬意を表しながら、対等の立場で話せる関係を構築することです。
 それは、ユダヤ人、華僑やアラブ人など仲間意識の強い人々の場合でも同じです。
 そして、このことは外交関係でも同様です。概して日本人はコミュニケーションべたですので、そのことを意識して努力するかしないかが、国際人足りうるかどうかの分かれ目だと考えます。
 奥山清行さんの精悍な面構えは、私が世界を駆け巡っていた頃を思い出させました。

山口実