昨日のフォーラムは、いろんな意味で興味深いものでした。第一回と言うことで、手探り状態の感もありましたが、次回からは企業や学校関係者(学生さんを含む)などより多くの人々が参加できればよりよいフォーラムになると考えました。
まず、三重大文学部教授、地域国際活動研究センター代表児玉克哉氏の基調講演には、何度も頷きました。
(1)1990年以前は、国際協力は国がやるべきものと考えられていた。国が人材やシステムを持ち、地方自治体はもっぱら批判や陳情に終始していた。
(2)その後、地方自治体が国際協力をやる機運が高まったが、現在では市町村の合併、予算削減によりその役割が変わりつつある。
(3)そのような状況で、地方自治体は異文化間の連携や企業の連携など違う分野の連携や住民主体の国際協力活動のCoordinatorへと変わるべきである。
(4)また、その活動は従来の「貧しい町を援助する」「経済開発」から、誇りと希望を持った街づくりをお互いが共感しながら行う「希望開発」でければならない。
(5)地方自治体は発想を転換し、内なる国際化を推し進める必要がある。その為には、信頼関係・国際ネットワーク・新しい街づくりのVisionを住民と一緒に構築することが大変重要である。
(6)今のままでは、せっかく撒いた種が枯れる可能性が強い。姉妹都市提携も沈滞化している。地方自治体が住民と一体となって国際協力を蘇えらせることが肝要である。
(7)具体的な方法としては、a)Fair Tradeやb)Study Tour(希望を見つける旅)などを積極的に行う。
(基調講演が1時間と短かったために、具体的な質疑応答に十分な時間がなかったのは残念でした。)
その後の事例発表では、国連ハビタット福岡事務所(ナイロビ・福岡・リオ・デ・ジャネイロ事務所、事業数67、予算規模約180億円、Think global! Act local! 住民参加の国際協力)や佐賀のNPO地球市民の会(ミヤンマー、タイ、スリランカでの海外事業、国際交流、地域づくり、地球共感教育など)、それに国際協力銀行(地域振興のノウハウを生かした国際協力事業--二国間貸付、国際機関を通じた援助による有償資金協力)からその活動の概略に就いて、説明がありました。
分科会では、具体的なresourceを生かしての国際理解推進について、出席者皆がアイデアを出し合いました。もちろん、私は大学のキャンパスを活用して一流の音楽を楽しみ、踊り、飲み食べ、語り合う国際交流イベントの開催を提案しました。
交流会でたくさんの人々とお話をし、名刺を交換しました。将来的に大学で同様なフォーラム開催することを主催者の自治体国際化協会・市民国際プラザに提案しておきました。
次は、学生さんたちにも参加して貰いたいと強く思いました。次世代を担う若い人たちが「自分で考え、行動する」より多くの機会に恵まれることがとても大切だと思うからです。因みに、フォーラムも交流会も無料でした。納税者の皆様に感謝!
山口実