82日の亀田興毅選手とランダエタ選手の試合の判定に就いてのコメントを書きましたが、あまり亀田選手自身を責める気にはなりません。その理由は、亀田兄弟の人気を異常に煽り、促成栽培で亀田興毅選手をチャンピオンを仕立て上げた、大人たちに大きな責任があると思うからです。

一方で、亀田ファミリーに関する放送業界の狂騒を見ていると、以前の若貴ブームを思い出します。そして、知識や経験のない子供達を利用できるだけ利用しておいて、不都合な事があると急に批判的になってしまう大人たちは卑怯だと思います。同様の傾向は、芸能界にも多く見られます。

また、技術も智恵も経験も、時には才能さえも不足している子供達を利用して、短期間でブームを作り、やがて使い捨ててしまうやり方では、本物は育たないと思います。それは、選手やアーティストだけでなく、ファンに就いても言えることです。

私は、以前から「子供は大人の鏡だ」と言っていますが、子供達が荒れたり、傲慢になったりするのは大人の責任だと思います。子供達を守り、その才能を育ててやるのは大人達の責任です。自分のやり方が間違って問題が生じた時、その責任を子供達に押し付けるような事をしてはいけません。ましてや、子供達を利用して、傷つけ、棄てるようなことは断じて許されません。

大切なのは子供達への思いやりです。これは、教育、安全管理、外交、環境保護など、今の世の中に山積する問題全てにおいて、私達が反省しなければならない本質的な課題だと考えます。

山口実