ヒズボラを支援するために、イランから義勇軍が出発したとCNNが報道しています。

http://www.cnn.co.jp/world/CNN200607270025.html

数はまだ少ないものの、大変憂慮すべき情勢です。今後宗教戦争の様相を呈してくれば、戦争終結は大変難しくなるでしょう。

そのような最悪の事態を回避する為に、国際社会が早急に一致団結して、戦争の当事者(イスラエル・ヒズボラ)と支援国(シリア・イラン)を含んだ和平会議を開催し、調停を進めなければなりません。皆さんご存知のように、イランはホメイニ革命の後、原理主義の伝播を図って、イラクと8年間戦いました。(その間の戦死者はそれぞれ100万人を越えるとクウェートにいた時、聞きました。) この戦争で米国や湾岸諸国はイラクを支援しましたが、結局イラクは疲弊し、19908月クウェート侵攻から湾岸戦争へと更なる泥沼の闘いを続けました。つまり、イスラエルがイランを巻き込んだ戦いをすれば、イラクの二の舞になる恐れがありますから、早期停戦はイスラエルにとっても有利と考えられます。

もちろんイスラエルは短期の徹底攻撃でヒズボラの弱体化を図ろうとしているのでしょうが、イスラム世界からの義勇兵が、雨後のたけのこのように参加するようになれば、長期戦は避けられません。

何れにしても、中東和平が武力によって達成できないことは明らかですから、お互いが共生を前提にして、話し合う事が重要です。大変難しいことではありますが、不可能な事ではありません。


そして日本がこの和平の調停役の一部を担うことは、非常に有意義であると考えます。ブッシュ政権がユダヤ社会に遠慮して、公正な調停を遂行出来ないのなら、日本はヨーロッパ諸国と力を合わせて調停役を買って出るべきではないでしょうか。それが、日本の国際的地位を高めるだけでなく、原油価格の暴騰を沈静化させることにもなると考えます。

山口実