昨日フリージャーナリスト小田切拓さんによる掲題の緊急報告会に行って参りました。

イスラエル軍の攻撃で瓦礫の山となったガザ地区や西岸地区に押し込められ、高い塀によって閉じ込められ人々の苦しみや悲しみは、私達の想像を絶するものがあります。

小田切さんが「死者の数だけで、現地の市民の被害や苦しみは理解出来ない。」と言われていましたが、多くの負傷者や治安維持の為に家を突然壊された人々の存在を知り、それから多くの弾痕のある家屋やひっきりなしに響く機関銃の音、それらに慣れ、諦めてしまったような市民の表情などを見聞きすると、やりきれない無力感に苛まれました。

それから、「子供達が、『肝試し』として、分離壁に近づく遊びをして、実際にイスラエル軍に銃撃され死んで行っている」と言うお話を聞いて、本当に胸が痛みました。

また、日本を含む世界各国の支援が、狭い不毛の土地へパレスチナの人々を隔離し、将来への展望のない生活へ追い込んでいるようにも思えました。

対米追従のイスラエル偏重の政策ではなく、パレスチナが真に自立できる方策を緊急に考えなければ、この地域での憎しみの連鎖は終わらないと考えます。長年中東和平を叫びながら、私がイスラエルにいた1970年よりも状況は遥かに悪化しています。平和は武力の行使では構築できないことは明らかです。このことは、私達日本人も戦争ボケになる前に、肝に銘じるべきです。

山口実