私が初めて中東を訪れた1970年にはレバノンの首都ベイルートは「中東のパリ」と呼ばれて大変美しい都市でした。中東の金融の中心地であり、観光地としても栄えていました。

 それが1975年に始まった内戦、それに乗じた1978年のイスラエルの侵攻などにより、無惨にも破壊尽くされ、金融機関もバーレーンに移って国は疲弊しました。

 今またイスラエルの空爆等により、復興しかけたベイルートが破壊され、存続の危機に直面しています。報復の連鎖を止めるためには国際社会が立ち上がらなければならないのに、米国は二重基準でイスラエルを守り、日本の首相は物見遊山を続けています。他の主要国も、北朝鮮問題で掛かりきりとなり、マスメディアの多くは問題解決の為の国際世論を掻き立てようとはしません。

http://www.asahi.com/international/update/0715/008.html

 原油価格は高騰し、国際社会は本当にテロや貧困が根絶できるのでしょうか。対立は益々エスカレートし、苦しむのは一般市民。そして儲けるのは、武器商人と国際石油資本とその周りに巣食う一部の人々。

 一方で、米国は北朝鮮のミサイル発射を非難し、一方で彼らの武器輸出を結果的に助け、それを口実に自国の武器を国際社会に売りつけています。その内日本も武器を輸出し始めるのでしょう。

 武器によっては、真の平和を築くことはできません。平和憲法を持つ日本は、今こそ日本独自の対話による平和外交を推進すべきです。その為には、早く中国韓国との対立を解消し、単独覇権主義の米国への追従を止めるべきです。

山口実