骨太の方針と言うのは、しっかりした基本理念とヴィジョンに基づいた方針であるべきです。そして、その方針は国民を安寧に導くものでなければなりません。

ところが、今回政府・与党が了承した「骨太の方針」の原案は、「消費税率や中長期目標は先送りし、在日米軍再編の関連経費の予算化や、社会保障費など削減への具体的な道筋を十分に示していない」ようです。http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20060704k0000m010116000c.html

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20060704k0000m020111000c.html

先にも指摘したように、在日米軍再編の経費は、先の合意で日本側が「青天井」で負担する事になっています。「米側が詳細を示していない」為に予算化の調整を余儀なくされるような合意を充分な説明も議論もなく行う事自体が、謂わば、Unbelievableな状況です。一方で、防衛庁はこの何兆円もの負担を別枠とすることを要求しているようですから、姉歯建築士の鉄筋の足りない設計図のような「骨太の方針」です。

「骨太方針」の議論を主導して来た経済財政諮問会議は、村上ファンド等の問題でガタガタ、また当の首相は米国で同病相哀れむエールの交換にうつつをぬかしているようでは、国民の多くが「骨太」ならぬ、「骨細」な生活を強いられる世の中になることは必至と危惧します。

私達国民はそろそろ目を覚まして、真に骨太な方針を示せるリーダーを求めるべきではないでしょうか。

山口実

骨太のシロ