昨日の午後第一回国際交流フォーラム「日韓関係の将来」in 西南学院大学と言う公開講座を聴講して来ました。

 実は、更新したパスポートを受け取りに行った際立ち寄った、「こくさいひろば」で偶然見かけたチラシを見て急遽出かけました。日頃親しくお付き合いしている副学長(大学の先輩でもある)副学長が司会をしておられましたし、知った方にもお会いできたので、偶然行った感じがしませんでした。これも神様のお導きと言えるのではないでしょうか。(次回からは、事前にご連絡頂けることになりました。)

 さて、第一部の講演では 韓日神前協会中央会会長の金守漢(キム・スハン)さんの「日韓関係の現状と将来」と国際海洋法裁判所裁判官の朴椿浩(パク・チュンホ)先生の「国際法と日韓関係」のお話を聞く事が出来ました。第二部は韓日親善協会中央副会長のパク源弘(パク・ウォンフォン)さんと西南学院大楽商学部教授の小川雄平先生も加わってのパネルディスカッションでした。

 私が一番感銘を受けたのは元大韓民国国会議長でもある金守漢さんの講演です。金守漢さんはまずキリスト教が韓国の再建に大きな力となったことを強調されました。韓国には1200万人のプロテスタントがおられるそうです。また、日韓が一衣帯水の下で、尊敬しあう両国関係を構築する為にはお互いに1)自国の言語を大切にすること、2)文化を理解しあうこと、3)歴史を正しく認識すること、4)日本・韓国・中国が手に手を取り合うこと、の大切さを訴えらえました。そして質疑応答の中で、「国民と国民が交流を深め、連帯意識を育めば、国家はそれに就いて来る」と強く訴えられました。

 朴椿浩先生は西南学院大学法学部の教授もされた方です。現在のお立場上具体的なコメントは控えられましたが、竹島(独島)問題が容易に解決できぬ難しい領土問題であると理解しました。この問題はやはり両国間で辛抱強い対話によって解決する問題であって、このことを日韓対立の火種にクローズアップする事は木を見て森を見ないことに繋がると考えます。対話によりしっかりした漁業協定等を結び、漁民を不法な拿捕を防ぐ事も必要でしょうし、環境問題の切り口から考えお互いに協力し合う事も重要だと考えます。

 2時間半足らずのフォーラムであった為、質疑応答やパネルディスカッションなど、もっともっと聞きたい事がたくさんありましたが、第二回以降も充分期待できる内容でした。特に、第一回フォーラムで日韓関係を取り上げた西南学院大学関係者の見識に強い感動を覚えました。大学が地域性を尊重する事は大変が重要だと思います。また、大学が「時代を担う若者の国際協調、国際平和の意識を高める事業の一環として」このフォーラムを立ち上げ、継続される姿勢に大いに感銘しております。

 この事業への学生諸君の積極的な参加と市民の理解を切望します。


山口実

P.S. 掲題は金守漢さんが韓国の故事から引用された言葉です。私は、まず近所付き合いを良くする事が外交の基本であると考えます。 

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