中国の国防費の記事がasahi.comにいくつか取り上げられている。
もちろん中国の国防費の増加は当然注視しなければならないが、中国と直接議論すべきものであって、試算や想像に基づいて脅威論に結びつけるのは如何なものかと考える。
中国の国防費「公表の1.7倍」 英国際戦略研究所
http://www.asahi.com/international/update/0525/002.html
中国の軍拡路線「確かな脅威」 米国防総省年次報告
http://www.asahi.com/international/update/0524/001.html
「中国は軍事力透明化を」 額賀防衛長官がインド国防相に
http://www.asahi.com/politics/update/0525/009.html
中国、英米による国防費評価に反発
http://www.asahi.com/international/update/0526/002.html
もう少し冷静になって、下記の比較をしてみよう。
米国 中国
1)国土 963KM2 960KM2
2)人口 2.83億人 13億人
3)兵員数 259万人(予備役を含む) 225万人
4)国防費 4236億ドル('05) 302億ドル('05)
ほぼ同じ国土(国境は陸続きが多い)を持ち、人口は4倍強。兵員数はほぼ同じ(人件費の増加は?)だが、防衛費は14分の1以下(英国戦略研究所の試算を容れても、4分の1以下)。
また、米英のように他国には出兵していない。(台湾、チベットは議論はあるが、国内と考えられる。)
もちろん、一党独裁の強権政治に問題はあるが、広大な国土と他民族の統治を考えれば、斟酌できる面もある。
要は、日本を始めとした国際社会が、中国と如何に折り合って行くかが大切である訳で、その為には直接対話は不可欠であり、脅威論を煽って、犬の遠吠えのような非難合戦をするのはもう止めた方が良い。
山口実