昨日の西日本新聞に市民の35%が自転車を利用する「自転車優先を徹底した」ドイツの地方都市ミュンスターと「環境に優しい乗り物」自転車が「歩行者や車とどう共生するか」についての記事が掲載されていました。この町では「自転車専用の信号機や道が整備」され、「政策的に車との共存が図られて」いるそうです。

 私の生まれ育った玉野市も、自転車利用者が大変多く自転車道が整備されています。

 福岡に来て驚いたのは、「自転車の違法駐輪が日本一」とかで、市がその撲滅運動ばかりをやっていることです。天神周辺(市役所近く)には制服を着た職員が多く目を光らせているし、休日明けには違法自転車撤去の職員がトラックに撤去した自転車を一杯積んで、どこかへ去って行きます。

 もちろん地方都市(ミュンスターは人口28万人、玉野氏は75千人))と大都市福岡を単純に比べる事は出来ませんし、自転車等の整備は簡単には出来ないでしょう。また、自転車利用者のマナーにも問題があって、人や自動車との事故や事故寸前の場面に遭遇することも少なくありませんから、自転車利用のマナー改善の努力は当然なされるべきです。

 しかし、市は自転車を敵視せず、もっと環境に優しい乗り物であることを認識して、車や歩行者との共生の為の施策を講じるべきではないでしょうか。

 最近駐輪場が増設されました。しかし、一台一台に高価なコイン投入機械が付けられ、駐輪には毎回100円が必要です。通勤などで、長時間駐輪し交通費が支給される人々には良いかも知れませんが、日々の生活のために一寸駐輪する場合に100円を払うのは大変不経済です。また、コインの投入機械の設置費用や駐輪場での違法駐輪自転車をチェックして回る職員の人件費を考えれば、費用対効果に疑問が残ります。 私は、駐輪スペースの枠だけ設置して、その場所では駐輪自由にすれば良いと考えます。

 また、あの広大な市役所前のスペースを無料駐輪場にすれば良いと考えます。イベント会場として使われることは、数えるほどしかないのですから、駐輪場にして市民に開放すべきだと考えます。

 自転車を頭から否定するのではなくて、共生の為の智恵を絞る事が大切です。皆さんの智恵をお待ちしています。

山口実

P.S. 西日本新聞の当該記事は、こう結んでいます。

「違法駐輪対策や交通指導も必要だが、行政に求められるのは『市民生活の中で自転車をどう位置付けるか』という基本理念と、そのための思索推進であることをあらためて痛感した。」

わが県知事や市長は、自動車メーカーやバス会社がお好きなようですが、地球に優しく、市民や県民に優しくならなければ、Public Servantとは言えません。見栄を張って市民・県民の借金を増やす開発行政を推進する一方で、多額の退職金を期待するようでは、首を傾げざるを得ません。