日本経済研究センター会長・日本経済新聞社顧問の小島明氏が「日本記者クラブ会報」2006年3月10日発行第433号に書いた「ダボス会議 中国の積極外交と日本の内向き志向─言力政治の巧拙─」と言う記事を読んで下さい。
http://www.jnpc.or.jp/section3/essay-shinshun-kojima.htm
それから少し古いですが、今年の1月4日の中国新聞の社説「近隣外交 成果を生まぬ対決姿勢」をお読み下さい。
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh200601040049.html
私のアジアの情報網やメディアからも中国の他のアジア諸国に対する積極外交の話は多く聞こえてきます。一方日本政府のアジア外交政策は、お世辞にも積極的とは言えません。
従って、今の日中の対立した関係が続けば、アジアでの日本の孤立は進むと懸念されます。
では、どうすれば良いのか。やはり、言葉を尽くした外交をするべきですし、言葉と行動を一致させるべきでしょう。外交は駆け引きであると同時にお互いの折り合いです。相手に有利な外交カードを切って、折り合う事もしなければ、対立は解消しません。
ヨーロッパはEUが存在しますから、日本とは独立した存在です。
では米国はどうか。経済界は既に日本から中国の巨大マーケットに移っています。(これは米国ビジネス現場の生の声です。) また、政界もブッシュ政権の凋落が続けば、民主党が中間選挙で勝ち、中国重視の外交政策に転換する(裏では、充分進んでいるかもしれない)可能性は大です。更に、経済界の政界への影響力は日本よりも遥かに大きいですから、経済界に引っ張られる事も充分考えられます。
国際的な孤立は、貿易立国の日本の国益に適うとは思えません。今が、日本外交の正念場です。
山口実