「商売とは別」首相が反発 経済同友会の日中関係提言」と言う記事が、各新聞に踊っています。http://www.asahi.com/politics/update/0509/007.html


「商売と政治は別」と首相は反論していますが、果たしてそうなのでしょうか。持続する商い(ビジネス)にはバランスが大切。相手の立場に考慮しながら、十分な情報を入手し何とか折り合いをつけます。持続可能な社会を作る政治と共通した点が大いにあると思います。

 また、靖国参拝に拘ることが、果たして「政治」なのでしょうか。実は、前々回の総裁選挙公約で小泉候補が「靖国参拝」を公約に持ち出した時点で、「ああこの人はアカンワ!」と思いました。この時は有力候補の橋本元首相に対抗するためだったと思いますが、「靖国参拝」を政治問題にしてしまったことは、やはり小泉内閣の一番の問題だと考えます。政治的信念のない公約を、数合わせの為に持ち出したことは靖国に祭られている戦死者の方々にも失礼なことでしたし、アジアの戦争被害者やその家族の心情を理解しない大変unfairなことでした。また、先の戦争の賠償放棄問題にも関わる重大失策と言わざるを得ません。

 今では、首相は意地になっていますし、国の威信を考えれば、中国・韓国の要求をおいそれと呑むことは難しい状況なのでしょう。しかし、最初から間違っているのですから、原点に戻って自分で間違いを正すべきです。

 日本には「商売」を「金儲け」と蔑む傾向がなきにしもあらずですが、商いは非常にバランスの取れたものです。やはり、日本の政治はバランスの取れたものに戻るべきです。イエスマンばかりを廻りに置かず、諌言してくれる人に謙虚に耳を貸すリーダーが優れたリーダーだと思います。(以前マレーシア元首相のマハティール氏も「リーダーの資質」の要件としてこのことを挙げておられました。)

山口実、