「ホリエモンが保釈になる、ならない、なった」とかで大騒ぎするマスメディア。本当に嘆かわしい。

米軍再編問題や共謀罪の採決や教育基本法の本国会上程など、これからの日本の行方を左右する大問題が急激に進行しているというのに、謂わば過去の反面教師のたかが保釈の問題で、記者たちが200人も押しかける。もっと先にやるべきことがあるだろうに。

 5年の総括の一つに政治の「劇場化」「ワイドショー化」と言う大きな問題がある。また、それに合わせてジャーナリズムも堕落している。政治が一般市民に近づいたと言う評価もあるが、人気取りや大衆受けは吉本の芸人さんに任せておけばよい。「女性週刊誌やスポーツ新聞に受ける政治」を目指すから、ヴィジョンも理想も「クソ食らえ」と言う話になる。国民が賢くならなければ、どこまで落ちるか分からない。

 一方で、保釈がなぜ今なのかも分からない。司法が、国民の目くらましの為に、行政に媚を売っているようにも見える。民主主義の基本は三権分立と思うが、立法はとっくに行政に擦り寄っており、司法の判断もとみに行政よりに変わっているように思える。どう考えてもおかしい。おかしいと思わない国民が一番おかしいのかも知れない。

 国際的な対立や国家経済の破綻、それに環境破壊が進む中で、今こそ衆知を集めてことに当たらないと行けない時に、思考を停止しては、先にあるものは破滅しかないと考える。

山口実

P.S.朝日のウェブサイトに、「イラクで伊兵士ら4人爆死 次期政権内に『即時撤退』論」と言う記事が掲載されており、その中で「急進派の緑の党」と言う表現があったが、はていつから緑の党が急進政党になったのだろう。朝日の右傾かもここまで来たかと空恐ろしくさえ感じる。

http://www.asahi.com/international/update/0427/016.html