今日の読売新聞によると「米政府筋は、米国と中国の海軍が近く合同軍事演習を実施する方針であることを明らかにした。」と言う。http://newsflash.nifty.com/news/ta/ta__yomiuri_20060415id01.htm
これは何を意味するのか、良く考える必要がある。
日本が対立を煽る中で、米国はちゃっかり中国を懐柔しようとしている。また、米国に住む友人によれば、米国のビジネスマンの興味は日本から中国へ移っていると言う。
中国の近年の発展が、主に日本の技術供与や資金援助によることは周知の事実である。その恩に報いて貰うべき時に、政治的な対立が生じていることは日本の国益には沿わない。もちろん、是は是、非は非として議論しあう対等な関係を構築する必要はあるが、相手を不必要に挑発するような言動はもう止めるべきである。そのことに早く気づかなければ、日本が30年以上かけて築き上げた中国での経済基盤を米国やインドに取られてしまうことを私は真剣に危惧する。
「国益」「国益」と声高に叫ぶ政治家がいたら、冷静になってどの国の国益なのかを考えてみよう。私たちの日本の「国益」ではないかも知れないから。
山口実
P.S. 昨年日本が国連安保理の常任理事国入りを目指した時、米国は反対した。これにより日本に残されたのはODAでの大きな負担だ。独立国として、米国が自国の国益を優先するのは当たり前のことである。従って、米国に過度に頼ることは大変危険であることを私たちも良く認識する必要がある。