新学期から公民館で小中学生に基礎英語を教えようと思います。塾に忙しい子供が多いようなので、どれ程の子供達が集まるか判りませんが、僕としてはお勧めのクラスです。
その中に正しい発音も含まれます。講演で色々な学校に行くのですが、残念ながら発音の基礎がしっかりした英語教師は多いとは言えません。もちろんNative(と言っても、国がまちまちで、発音も出身国・地域によって違います)の補助教員もいますが、日本人に発音を基礎から教えられる人は多くありません。
それで、今日は英語の発音の基礎について、少しお話します。
・ 日本人にとって英語の発音で一番大切なのは、二重母音です。これは[ei] [ai][ou][au][oi]のような母音が続く発音です。なぜ重要かと言うと、日本語英語は[ei] [ou]をエー、オー(アイは別)と言うように発音して、エイ、オウと発音しないからです。エーやオーと発音して全く通じないということはないでしょうが、通じにくいし相手のrespectはまず得られません。
・ 同じく重要なのが、LとRの発音。これは区別できないと英語圏では殆ど通じません。
それどころか、笑い話になってしまいます。例えば”Moon River(月の河)” が”Moon Liver(月の肝臓)に聞こえれば、彼女には必ずフラレてしまうし、カラオケで歌えば歌うほど恥をかきます。また、自身でも”Flea Market(蚤の市)が”Free Market(自由市場)だと誤解してしまいます。日本のメジャーの歌手でも、"Softly(優しく)” が”Soft Tree(柔らかい木)、”Completely(完全に)が”Complete Tree”(完全な木)と歌っている人が大変多いです。
“Rice(ご飯)”が”Lice(しらみ)に聞こえた日には、笑うに笑えません。
ではどう発音を区別するか。"R”の発音の前には、必ず"W”を入れる(つまり英語の[u]の口を作って)から、丸めた舌を口蓋に付けないで次の母音の発音と共に戻します。Writeの発音のイメージが作れれば、Rの発音は著しく改善出来ます。では、Lはと言うと、これは舌の位置をしっかり決めること。日本人はLの発音の際に、軟口蓋に近いところに付けるので、LとRの間の発音になってしまいますが、硬口蓋(歯茎のところ)に舌をしっかり付けてsharpに発音するとしっかりしたLの発音になります。イメージとしては、Lの舌の位置はTやDの発音の舌の位置とほぼ同じです。
それから、ReallyやAll rightのようにRとLが交互に出てくる場合、例えば”I really love you” のように文章の中でLが繰り返し出てくる場合は、意識してLをsharpに発音することが大切です。
・ 次に気をつけるのは、曖昧母音の発音。girlとかbirdとかhurtのような[«r] [«ùr]の発音とbut, aboutなどの[«]の発音です。これは口で言うのは難しいのですが、口の内と外を開かず、こもった日本語のウーとアーの間の音を出します。
・ 後は日本語にない[T][D]の音や[tS]の音や[dZ]の音、それから[s][z]の音や[N](鼻濁音)や[S]の音を正確に発音することです。
これらの基礎的発音と発音記号を初期の段階で勉強していれば、上達は早い。後はたくさん聴いて、たくさん喋るだけ。何事も基本に返ることが大切です。http://www.e-hatuon.com/index.htm
山口実