いよいよ今日からWBC(World Baseball Classic)が始まる。スポーツファンとりわけ野球ファンにとっては願ってもないイベントである。我らがソフトバンクホークスの王監督の尽力で全日本チームも大リーグからイチロー選手(スタインブレナーのヤンキースの松井選手が参加できないのはとても残念だが)の参加もあって、本番での彼のプレーがとても楽しみである。

これはスポーツにも芸術にも言えることであるが、それらを楽しむ人々の裾野を拡げることが大変重要である。その為には学校・自治体や企業での普及体制や施設の充実と共に一流プレーヤーのパフォーマンスを出来るだけ多く見たり聴いたりすることが大切である。

その意味では冬季スポーツを支えて来た企業が合理化の為にスポーツクラブを廃部したり、自治体などの練習施設が存続の危機に直面していることが、今回のトリノオリンピックの結果に象徴されていると言えよう。例えば、ショートトラック500m6位の寺尾悟選手は時間貸しの一般リンクで練習しており、氷上にいる時間は専用リンクのある中国・韓国代表チームの1/3~1/2と言う。これでは、好成績は望めない。

スポーツも芸術も、素晴らしいパフォーマンスは人々(特に子供達)に元気や希望を与え、同時に感動やImaginationの豊かさを創造する。それがまた裾野の拡大に繋がる。もちろん、このことは一朝一夕には出来ないから、民も官も力を合わせて地道に努力することが肝要である。

山口実

P.S. 裾野を広げることはビジネスでも不可欠である。この場合は、プレーヤーではなくて製品の愛用者或いは愛好者の数を増やすことであるが、例えば私が7年前に仕掛けた九州の焼酎(特に鹿児島の芋焼酎)の拡販はその愛好者が大変な拡がりを見せている。意に反して、今の焼酎ブームは過熱状態となっているが、仕掛け人としてはその裾野の拡がりでより多くの人々が安くて美味しい焼酎をいつでもどこでも楽しめる世の中が来ることを祈ってやまない。