自民党は党大会のアピール文で「小さな政府」路線の徹底を明記すると言う。
はてさて、「小さな政府」とはそもそも何なのであろうか。
私には行政がやるべき仕事の責任を放棄しているようにしか思えない。Public Servant(公僕)と言う言葉がある。大衆に奉仕してこその行政だと思うが、税金は上がる一方で、公共サービスはどんどん低下している。また、公務員改革の一環と」してその人数を5年で5%減らすというが、自然減でもそれより多くなるのではないか。民間が大量のリストラで、大きな痛みを被っている時に、こんなことで良いのだろうか。
最近政府やマスメディアが「景気が良くなった」と喧伝する。しかし、大企業がリストラを断行し、税制面で優遇されて空前の利益を計上している一方、雇用や増税や社会福祉の減少の不安は大きくなるばかりである。こんな状況で本当に景気が回復したと言えるのであろうか。勿論、物事を前向きに捉えることは良い大切ではあるがーーー。
昨年前職の九州支社を2年ぶりに訪れて驚いた。女性スタッフの殆どが派遣社員か契約社員になっていたのだ。私には不安定な雇用の下で、担当する仕事に愛情を持つことは難しいように思える。そして、何でもかんでも米国式経営学をまねると言うのも従来の日本の良さを著しく減じているように思える。もっと日本独自の暖かい助け合いの精神が復活しても良いのではないか。私が長年ビジネスに関わってきて、肝に銘じていたのは人を大切にすること。天然資源を持たない日本に神様が与えてくれた資源は人である。その貴重な人を大切にしない企業のビジネスが上手く行くとも思えない(JRや三菱ふそうの例を引くまでもない)。日本に必要なのは人に冷たい改革よりも人に優しい改善なのではないだろうか。
このブログをお読みの皆さんにもお考えをお聞かせ願いたい。
山口実
P.S. 少子化対策が叫ばれているが、女性を大切にし、女性の抱えているさまざまな不安(雇用や育児や安全や税金の問題など)を取り除く政策を実行しなければ、(僅かな助成金を出すだけでは)問題の本質の解決にはならない。
フラッシュ焚かなかったので少しぼけています。