スマトラ島沖大地震は単独の国における限定的な災害ではなく、東南アジアから南アジア一帯に及ぶ大災害であります。以前からアジア全域を行き来し、或いは被災国に駐在していた私達は、今回友人達が困窮し、友人の友人達も困難な状況にあるとの声を直接耳にして、その状況を座して見過ごすことは出来ません。「これからもアジア全域の人々とお互いを認め合いそれぞれの役割を果たしながら生きて行きたい。」と切望する者としての、「自分に出来ることは全てやりたい。」と言う強い思いが、NGO設立を思い立たせました。
 今回の災害は、国の枠を越えて起きた悲しい出来事として、歴史的にも第一次第二次世界大戦・冷戦と言った人災以上の意味を持つことになるかもしれません。戦争は、悲しみ・憎しみと勝者・敗者を残すだけですが、今回の災害は、その悲しみ・苦しみを乗り越えていく過程で、国の枠を超えた協力と相互理解を生み出すかもしれません。また、そうすることが一瞬の内に犠牲になった多くの人々の魂を弔うことになるのではないかと思量します。お互いの顔が見え、声が聞こえる関係を一つ一つ生み出し、育て、お互いに出来る役割を果たして行く中で、アジアが一つの共同体となる未来が開かれると考えます。
 そこで、私達は日本や被災した国々だけでなく、中国・韓国など出来るだけ多くのアジアの国々に声をかけ、それぞれの力を結集して、この団体を立ち上げ、育てて行きます。