烏骨鶏の死

朝７時半烏骨鶏の餌やりに行くと、一羽の烏骨鶏が櫓の上で座ったまま降りて来ない。

どうしたのかと傍に行くと動かない。抱いたら大人しく抱かれたままなので、部屋に連れて行ってずっと抱いていた。呼吸も静かでもうすぐ死んでしまうと思ったのでずっと抱いていた。瞼も閉じたまま足はもう冷たくなっていたけど体は呼吸を続けていて暖かい。ただ抱いていた。首はぐったりしているけど時折起こそうとする。一時間ほど抱いていると動かなかった嘴が数回閉じたり開いたりしたので台所でティッシュに水を染ませて嘴に持って行くと反応したので何回かすると力強く羽ばたいて眼も開けた。

急いで外に出て地面に置いてあげようとしたがたが、その必要がなかった。其れが命の最期だったから・・・

２０１６年の３月１１日に烏骨鶏を飼い始めたペットみたいに育てかったので一羽で良かったのだがつがいで育てるのが烏骨鶏の飼い方とのことで、私が考えていた毛糸玉のような烏骨鶏でもなければペットのような烏骨鶏でもなかった。卵を産ませるためのものだった。初めにウサギを貰った関係もあって、こんな感じの烏骨鶏が欲しいのではないとも言えず買ってきた二羽の烏骨鶏。

始は鶏小屋の作り方や餌のことなど大変だった。６年の間、烏骨鶏たちは世代によって変化が著しかった。餌も鶏と同じ、初めは青物の葉と米糠を混ぜたものだったがそのうちトウモロコシに変わった。トウモロコシは外国のものなので日本の米糠を食べて欲しかったが世代が変わると鶏たちは自然に米糠を食べなくなっていった。どの世代でも胡瓜や蜜柑、リンゴの皮などを細く切ってやると喜んで食べた。種のある野菜や果物がお好み・・・

最初の雛たちは親鳥の動きをまねて何時も皆一緒だった。

此処は山中なので、野生生物の被害があった。蛇、猫、カラスの被害が幾度もあり、捨て猫よる被害も、一番最初がイタチの被害だったので雄鶏に殺されたのかと思ってしまった。姿は其のままで、（イタチは血だけを吸うらしい）七羽の雛を命を懸けて守った雌鶏。・・・其の雌鶏ちゃんが死んでからは皆がバラバラになった。６年の間、色んなことがあり、何度も止めようと思いつつ、未だに烏骨鶏が居る。増やすのは止めてこの子たちが済んだら私の年齢のこともあって、最後とは思っていたが、今日一羽の雌鶏が旅立った。ニコボーと名付けた大人しい子だった。肉付きがいいネ。などと笑いながらご先祖様と同じ場所に埋めた。もう一羽とてもおとなしい子が居て、餌以外の時は猫ちぐらの中に居るので、食べる量が少なすぎて他の子たちはむっちりと肉付きが良いのにその子は小さくてとても軽い。

１２羽になった・・・雄鶏５羽、雌鶏７羽。

西岡の夕暮れ。

月が、写ってないけど左端の上の方に在る。

左上の白い小さな点が月。