なんで宮城の仙台かと言うとアイスショーです、羽生結弦くんの。
きょうと明日の2日間行われます。
明日の午後4時公演はネット配信されます。
Huluのはずですが。
今回はパソコンの中の音楽は使いません。
生オーケストラをリアルタイムで使います。
東北ユースオーケストラというフルオーケストラです。
このオーケストラは坂本龍一さんが東日本大震災からの復興の証として、アマチュアの十代の音楽家をオーディションで選出して編成して育成したオーケストラ。
坂本龍一さんが亡くなった後は伊福部昭門下の弟弟子にあたるぼくが二代目音楽監督に就任しました。
独特の響きがありますね、リンクサイドでの生演奏は。
音楽ホールでの演奏とかなり違う、心地良く鳴る感じがします。
アイスショーの企画段階では、音楽ホールでレコーディングした音源を使うことになっていましたが、そこは音楽に厳しい羽生結弦くんですから、生演奏はムリですか、と。
ぼくは、できますよ、と答えました。
言ってからやらかしたと思いましたね。
マイナス2℃のリンクで生演奏は可能かと言えば
難しいんですね。
特に管楽器は本来の音が鳴らなくなるかもしれませんから
管楽器って、プラス10℃から25℃で本来の音が鳴るように作られているんですよ。
マイナス2℃は想定外なんです。
それでも、もしかしたらできるかな、と思ってはいました。
というのも、ぼく自身がマイナス12℃のゲレンデで2時間サックスを吹きまくった経験があるから。
スノージャズin岩嶽というスキー場でジャズのライブをやるイベントで10年続けましたから。
でもなー、と言おうとすると
今回のアイスショーのスポンサーである製薬会社の東和薬品と全日空、日本テレビがじっと見つめるので言えませんでした。
全日空も日本テレビも、スノージャズin岩嶽のスポンサーでした。
ぼくがマイナス12℃の中で2時間サックスを吹いていたことは承知だったんですよ。
サックスなら大丈夫なのに、オーケストラはダメなのか。
なぜなのか100文字で説明してください、と言う目なんですよ。
篠田真理子様ではないので答えられませんからね。
まずいことになったなー
と思いながら引受けたという。
ぼくは金属製のマウスピースで吹いていたから、寒さで唇にマウスピースが貼り付いて皮膚が剥がれて血だらけになったことも全日空も日本テレビも知っています。
オーケストラで金属のマウスピースを使うのは金管楽器だけで、唇の赤い部分がマウスピースに当たるわけではないので血だらけはありません。
失敗したなと思いながら
大丈夫ですよ
と。
結果、きちんと鳴りました。
対処法をいろいろ考えて実践しました。
管楽器にはヤマハが近江兄弟社、あのメンタムの会社と共同で開発した管楽器奏者用のリップクリームを配布して、演奏の際は必ず塗るように徹底しました。
唇にマウスピースが貼り付いてしまうことはありません。
スポンサーがお金を全額出してくれたために、ぼくの自腹はなし。
1本1000円ですから、大した持ち出しではないですけどね。
驚いたことに弦楽器はものすごく鳴るんです。
ヴァイオリンやビオラ、チェロなんかは本当に鳴ります。
実は弦楽器を弾く時はステージの照明を抑えるんですね。
ステージの照明は50℃近くなりますから、木製の楽器は極端な暑さで本体が割れるんですね。
でも流石にマイナス2℃は
と思ったんですが想定外に鳴りました。
1曲だけコンチェルトをぼくがヴァイオリンで演奏したんですが
怖かったんです、楽器がどうかなるかも知れないと。1702年製ウィルヘルミストラディバリウスですからね。世界に6本しか現存しない楽器ですから、よもやまさかがあると大惨事ですからね。
ただ乾燥には注意しましたし、オケの弦楽器担当にもダンピットという、乾燥から楽器を守る仕掛けは徹底しました。
初日としては大成功でした。
このアイスショーのために世界から集まってくれたかつてのライバルスケーターの方々に
本当に感謝しかありません。
帰路につく観客たちを会場で見送りながらファンとのツーショットに気楽に応じてくれフェルナンデスさんにも
心からの感謝と拍手喝采を。
最後に
ショー本番の3日前まで
出演を模索してくれた
帝王プルシェンコさん。
あなたがロシア人でなければ
出演は可能だったでしょう。
アイスショーのすべてのスタッフとキャストは
あなたが来てくれるのを楽しみにしていました。
もし
ウクライナ侵攻がなければ
日本への入国はできたでしょうね。
本来ならば
アイスショーに政治は持ち込みたくはなかったけれど
このふざけた国に勝てませんでした。
さあ、最終日
と言っても2日間ですが
きょうよりも
いいショーになりますように。
Huluの無料体験を使えば
明日の16時は観るとことができますよ。
それでは
おやすみなさい。

