動物のように恥じることなく死にたい
 という言葉が
 ぼくを捉えて放さない

 大きな石に抱かれているその言葉は
 いつまでも孵化しない

 その言葉を鏡面にふかく刻みつけて
 ぼくは夏の短夜をひとりはなれて眠る
      *
 永遠はなにも言わない
 ただ時の鐘をつるしているだけだ 
人を愛するとは
どこにもない泉を知ろうとすることだ

光る水面とぼくの影のゆらめきのなかにただ一言を聞くことだ
しかしどこまで行ってもその泉は遠い
その泉までは・・・