健全なる青少年の頃 | ブルームーンカルテットの「サランヘヨ、神戸」

健全なる青少年の頃

富永です。


話題に事欠かないはずのワタクシ、見ればオージ君はスタッフベンダビリリのライブと中国東北部の羊串焼きについて、主席は餃子、完全に先を越されてしまった感があり、「激しく同意!」とtwitter並の手短かな感想で消化してしまいがちであるが、実際はどれも素晴らしい。


スタッフベンダビリリとはアフリカのコンゴ共和国の身体障害者ホームレス、ストリートチルドレン達の今世紀最強のアフロファンクバンドで、猛烈なリズムのダンスミュージックでありながらメッセージもあり、それが説教臭くないところが日本人には到底まねのできない「前向きさ」である。オージや、バンバンバザールの社長福島氏などがライブを見て鼻息を荒くして「これや!これですねん!」と絶賛しているのを聴きながら天邪鬼のワタクシ、

「一体それはどれくらい素晴らしいねん、見てないからイマイチ実感が湧かへんし・・・」とテンション低めだったのだが、他にも何十人もの人に「あれは富やん絶対数好きやで!」と言われるものだから、先日ブルームーンカルテット横須賀公演の翌日に映画「ベンダビリリ」を見に行った。


前日は主席を囲んだ同志達で横浜伊勢佐木町のはずれ福富町にて「中国東北部の羊串焼き」とジンロを朝までやってしまい、まるで夏に岡山で同じく主席と同志達で繰り広げた宴を思い出すような松山千春バリの長い夜だったので超ダウン状態で映画に挑んだのだが、そんな自分が恥ずかしくなるような、出演者の何と前向きなこと!涙も出るのだが映画を見ながら足でリズムを刻んでしまう怒涛のリズム、親しみやすいメロディ、レコーディングを完成させて海外公演に向かう彼らのノンフィクションを堪能して、感動を越え、映画館を出るころには酒も抜け、ハイテンションになり、ノリで神宮前のメキシコ料理屋に行き、マリアチの素晴らしい生演奏を聞いては拍手をしながら、1晩で満州、コンゴ、メキシコを堪能してしまい、この日から「ワタクシは変わった!」と自認しているが、句読点の少ない文体は直る由もない。


そういえば、主席の文章に出てくる「餃子」を見て、そういえば最近は作っていないがそろそろ作ろうかと思ってたときだったのでこちらも先を越される。


主席はイメージとは違い「几帳面」さがあることを写真の餃子の包み方を見て知る。

ワタクシは、皮自体を粉から練って、餡も怪しげな調味料をふんだんに使用して「マニアックにクサい」餃子を仕込む割には、包み方に統一感が無くて、途中であきらめて穴あき餃子になってしまうことが毎度の通例になってしまっているので、この主席の包み方は是非手とり足とりイナリとりご教授いただきたいものである。


それくらい料理で人に負けるのは嫌なのだ。負けてもいいが、いつかはクラウン、いや、超えたいと思ってしまう。

そもそもワタクシが料理に興味を持ったのは実家の家業が「レストランと言い張る食堂」を経営していたことに始まる。完全に洋食で養殖されたワタクシ、うまれつき4200グラムだったのもあるが小学校6年生でいまとほぼ同じ大きさに培養される。決してbayouではないぞ。


店でロストになったハンバーグを22時をまわってから食べる夕食、ステーキ肉の切れ端で作られたガーリックライスの朝食、昼は立ったままフライドチキンとポテトをほおばる。まるでアメリカ人のような食生活。当時一瞬羽振りの良かった父智久は週末になると勉強と称して三宮のレストランにワタクシを連れて行く。そこはビーフシチュー、ビフカツ、子牛のステーキ・・・牛オンリー。子供ながらに「野菜を食べたほうがいいのではないか?」と危惧するほど洋食養殖だったのだ。


父智久の空中浮遊テレカ(未使用)

ブルームーンカルテットの「サランヘヨ、神戸」


ワタクシが中学に上がった頃、空前のバブル時代に突入。家業の商売は可もなく不可もなく今思えば堅実だったと思うが、父智久が店から消え始めた。ゴルフ狂い「握ってナンボ」の世界こそ父にとってのバブル時代だったのだろう、では店は誰がやるのか?兄弟のない家庭ではワタクシがやるしかないのである。小学生高学年より一応一通りの段取りをワタクシの仕込んだのは完全な確信犯だったとは!


学校もそこそこに、勤労学生、いや、学徒動員といった雰囲気でキッチンに入るがまさかお客様だって中学生が作っているとは思っていなかっただろうに。

高校生になって若干店に父智久が帰ってくるようになったが、依然、学校~店~バンドという生活は続き、洋食ばかり作ってロスを食べるパターンに飽きてきて、パートのオバハン「ナカオサン」に和食のマカナイを作ってもらって喜んだりしているうちに何とか高校を卒業できることになる。


エピフォンカジノを持つ当時のワタクシ

ブルームーンカルテットの「サランヘヨ、神戸」


ギターを弾いているのが楽しくて仕方がなかったので卒業を機に父智久から「お前は店を継ぐんか?バンドマンになるんか?」とどちらもあまり魅力のない取捨選択を強いられ、振り切ったつもりで一言「バンドマン」と言ったら1週間後には店ごと人に譲渡してしまいワタクシはおろか、父智久まで水商売から引退してしまった。さすが親は凄い。振り切り方まで全くかなわない、ここから離れないと一人前にはなれないなと悟って今に至るが、料理は依然大好きで、よく地方の酒場で聞かれたら「料理で食えるまでは音楽でがんばります」と言っているのは、ある意味真実である。だから演奏も油っこいのだろうか・・・・

そのうち台所や飲食店のバックヤードでライブなんて出来たらワタクシ的に大成功の人生かもしれない。


今後のライブ予定

11月2日(火) 渋谷 BYG

OPEN 18:30~/START 19:30ごろから2ステージ予定

charge \2,500(+1 drink order)

BYG TEL.03-3461-8574
http://www.byg.co.jp/



11月17日(水) 神戸元町 RED CLOUD COFFEE SHOP
(神戸市中央区北長狭通3-9-10)

OPEN 19:00~/START 20:00ごろから2ステージ予定

charge ¥2,500(+1 drink order)

RED CLOUD TEL.078-333-1811



11月23日(火・祝) 岡山 CAFE ONSAYA
(岡山市奉還町2-9-1)

OPEN 18:00~/START 19:00ごろから2ステージ予定

charge \2,500(+1 drink order)

CAFE ONSAYA TEL.086-252-1103
http://www.onsaya.com/page/1


ブルームーンカルテットの最新アルバム、「シーズン1」は各会場にて絶賛発売中デース!!

ブルームーンカルテットの「サランヘヨ、神戸」