こんにちは!
今回は韓国の女性詩人である李玉逢(イ・オクボン)の詩、
「爲人訟寃」をご紹介します。
朝鮮中期、李玉逢という女性がいました。
李玉逢の詩は子供時から有名でした。
玉逢が大人になって趙瑗(ジョ・ウォン)と
いう男に恋をしましたが、
趙瑗は女性が詩を書くと世を乱すので
彼女に二度と詩を書かないことを誓えば
結婚をすると言いました。
それから10年間彼女は詩を書きませんでした。
ところがある日、近隣の女性が来ては
その女性の旦那さんが冤罪で牛泥棒にされ
捕まってしまったので無実の罪を晴らす為
官長への上申書を一筆書いてもらいたいと
お願いをしました。
それでやむを得ず詩を書いて渡しました。
詩を読んだ官長は感動して再調査を行って
男を釈放しましたが、このことが趙瑗に
ばれてしまい、彼女は実家へ追い出されて
しまいました。
その時の詩がこちらです。
趙正萬編、嘉林世稿に紹介された「爲人訟寃」
洗面盆爲鏡 顔を洗いながらタライを鏡にして
梳頭水作油 髪を梳かしながらお水を梳油にします
妾身非織女 妾(わらわ)は織女(織姫)ではありませんが
郎豈是牽牛 どうして旦那が牽牛(彦星)でしょうか?
最初の2句はあり得ないことを意味します。
下の2句は彦星が牛に乗っていることから
うちの旦那は牛に乗る人(牛泥棒)ではない
と訴えている訳です。
「夢魂」という詩もあります。
近來安否問如何
月到紗窓妾寒多
若使夢魂行有跡
門前石路半成沙
玉逢の君を恋しむ気持ちと悲しみが感じられます。