Blue rose

Blue rose

趣味の雑文を書き散らしております

軽く読み流してくださいませ

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晴れたり曇ったり

彼岸花は色褪せて

家々の屋根を電線が区切っている

青のパズルだ、空にも持ち主があるんだろうか

 

リコーダーの音が運ばれてくる

耳を澄ませば「ドナドナ」のメロディー

同じ箇所で躓く仔牛を乗せた馬車だ

 

やんちゃな少年にちがいない

夏には日に焼けて

未だ褪せない細い指

水底に沈んでごらん
時の骸を憐れみながら
梵鐘を鳴らすのは誰
低く重く響き渡る

大気に守られている人よ飛べ
蝋が陽に溶けても

彼のなかの少年を沈めるために
日輪の馬車を駆るヘリオス
水底で遺骸を抱くネレイス
潮風はニンフの吐息

愛は躰に還すと虚ろになる

ヘリオスの馬車は駆られて
返す波は砂を洗う
浮かぶ羽根

心は文字にすると嘘になる

彼女のなかの少年を沈めるために
真珠の花は降りそそぎ
鐘楼の響を奏でつつ
嘆く海を渡るネレイス
赤光のなかのヘリオス

落日は地平線の在処を示す
彼女と彼が深く手繰り寄せあう時を教える

そんなに急ぎ足で

さくら貝をみつけていない

 

うすいろのかけらは心もとない

帰るならそのスカーフを

わたしの首に巻きつけてからにしてください

薄絹はきびしく私の頬をはたく

 

貝を欠かせてしまった

どこにいてもどこか遠くをおもっている貴方へ