モンタギュー家の執務室

モンタギュー家の執務室

ロミジュリから礼真琴をひたすら崇めている星担。地方民なので配信多め。
宝塚とエンタメ全般について綴ります。

18日マチネ観劇しました。
楽しかったー!やはりRRRは宝塚へ場所を移しても凄強コンテンツだった。

以下、ネタバレありの感想。







RRRは原作の見せ場をほぼ全て網羅しながら、さして駆け足感もなく上手くまとまっていました。

無かったのはラーマの五千人斬りや動物大作戦くらいですが、その辺は想定内。


最大の見どころのナートゥは客席降りあり。

礼真琴はキレキレだし、他のみんなも頑張ってて本気の長尺に拍手万来。

あの楽しさを沢山の人に体感してほしい。


一箇所注文つけさせてもらうとすれば、ラーマありちゃんの『ナートゥをご存知か?』の台詞はちゃんとビームの肩に肘を乗せて気障りながら放ってほしい。あの場面のバディ感にワクワクするので。

あらゆるシーンで映画と同じ音楽を使ってるので、予習した方がいちいちキタキター!で楽しく見れると思う。


そして改変部分が(宝塚にしては)珍しく上手く作用してました。

原作はあまりにもイギリス人が悪者に描かれ、エンドロールでインド独立の偉人たちが紹介されても意図的に?非暴力の象徴であるガンジーはスルー。


ナートゥ場面でしか登場しない極美慎演じるジェイクの出番を増やし、後半はビームたちに寄り添う展開にしたことで、残忍な英国人も若者たちだけは権力者に完全には洗脳されないところや、ジェニーとジェイクを婚約者にしてビームとは結ばれなかったのも逆に自然で良かったと思います。

ジェニーもより能動的な女性に仕上がっていて好感が持てました。

もちろん、なこきわみを活躍させなきゃって事なんだろうけど、ナートゥ→鞭打ちビームの熱唱を経てインドサイドに触発される流れは説得力があった。


ことなこありきわみ、みんな役に合っていてRRRやるなら今の星組しか無かったな、とタカヤの偉大さを噛み締めました。

キャサリン小桜ほのかの美声も素晴らしかった。


権利の問題とか知らないけれど、また他組別箱で再演されてもいいのではと思うくらい、目で楽しむ宝塚にぴったりの題材でした。


そしてVIOLETOPIAですが、なんと星組がお洒落なショーをしています。

月組がやるようなショーをダンサートリデンテ仕様にしたらこうなるのかぁ。

全体的な印象は、チャーリーとチョコレート工場のようなダークファンタジーをKing Gnuが音楽担当しましたって感じ。


明るい曲はありちゃんのハイウェイ・スターくらいでは。思った以上にありちゃん推しが凄くてARIファン必見ショー。


廃墟となった劇場に一人の青年が佇み、過去を回想していくストーリー。それが現実だったのか幻想だったのか、ずっと不協和音が流れて星組生が楽しそうに踊っていても、何処か不穏な雰囲気が付き纏う。

そういえば、指田作品の竜の宮物語もそんな世界観だったし。


星組ショーは、礼真琴のボーカルから星組子たちの歌い繋ぎで押しまくりスピリットに訴えかけるLIVE感が売りだったけど、今回は過去作と趣を変えて歌よりもダンスメイン。

ダンサートリデンテも技術で唸らせるというより、役としての舞踊で新鮮でした。

そういう作りなので、礼真琴の衣装も分かりやすく差別化してないから、あれ?この人キレッキレだ、あ!こっちゃんじゃん!ていちいち動きで気付いてました。


娘役のアントワネットみたいな鬘+ミニスカ衣装が好きだったんだけど、後から出てきた舞空瞳が圧倒的に似合ってて、まさに真打登場!でしかなかった。

そして、天華えまの餞別がそれは素晴らしくて、彼女にぴったりで今回の泣きどころ。


孤独の場面の礼真琴のソロダンスがとても良くて、礼真琴の技術を持ってすれば派手な装飾なんて、動きの妨げになるだけと悟りました。


マトリックスを彷彿とさせる近未来男役群舞もグラサンにちょっと笑っちゃうけど振り付けはかっこいい。


カメラが入っていたらしく、ことなこ銀橋の歌が日本語NGでフランス語で歌われたとかで、次の観劇日は日本語歌詞を聴いてみたい。


お芝居はスカッと爽快、ショーは落ち着いた雰囲気、それでいてどちらも視覚効果と身体表現を突き詰めた作品。バランスがとれた良き二本立て公演でした。

早くまた観たいです!