■ ガンに効く食べ物



4.お酒はほどほどに(そして肝臓によい食べ物をとる)



仕事で疲れた後の一杯、友人とのたのしい語らいの場で一杯など私たちは非常に多くの場面で酒を飲んでいます。酒には日ごろのストレスを解消したり、私たちの気分をやわらげてくれる生活の潤滑剤ですが、一歩間違えれば私たちの体を蝕む毒となってしまいます。




ご存知のとおり、酒の飲みすぎは肝臓を痛めます。肝炎から肝硬変、そして肝臓ガンというコースはアルコールが起こすガンとしてあまりにも有名です。またビールなどはプリン体が多く含まれ、通風の原因にもなります。



アルコールの成分であるエタノールには、私たちの細胞を傷つけ、殺す作用があります。そのエタノールを用いてガンを殺すような治療法もあるのです。つまり大量のアルコールは胃や食道の表面を大きく傷つけてしまうことがあるのです。



ガンにならないための<お酒の飲み方10か条 >

笑いながら共に、楽しく飲もう 適量のお酒は楽しい気持ちをさらに増加させる効果をもち、ストレスを解消させます。家族や友人と共に語り合ったり笑ったりしながら、お酒の味とその雰囲気を楽しんで上手に飲みましょう。

自分のペースでゆっくりと アルコールは、飲む速度を早めると血液中のアルコール濃度が急に高くなり、アルコールによる体の障害が生じやすくなります。無理をして人に合わせようとせずに自分のペースでゆっくり飲みましょう。

食べながら飲む習慣を 空腹状態でたくさんのお酒を飲むと、胃腸を強く刺激し、その粘膜を荒らしてしまいます。 また、胃腸に何もない状態ではアルコールが吸収されやすいため、急激に血液中のアルコール濃度があがり、さまざまな障害がおこりやすくなります。

自分の適量にとどめよう 一般的にいえば、2単位ぐらいのお酒(ビール大びん2本、日本酒2合、ウィスキーダブル2杯)を限度とすることです。自分の飲酒の適量を知っておきましょう。

週に二日は休肝日を 大量にお酒を飲んだ後、就寝している間も肝臓は黙々と働いているのです。この肝臓を毎日連続して酷使すると障害がでてきます。週に2日は肝臓を解放し休めてあげましょう。

人に酒の無理強いをしない 人には、それぞれ合った酒量とペースがあるのです。酒飲みのマナーとして、一緒に飲む人たちに酒の無理強いをせず、彼らの楽しみにも十分に配慮しましょう。

くすりと一緒には飲まない お酒と一緒にくすりを飲むことは大変危険です。 鎮痛剤や風邪薬と一緒に飲むと胃潰瘍をおこしやすくなります。糖尿病のくすりと一緒に飲むと昏睡などの低血糖発作がおき、危険な状態になります。

強いアルコール飲料は薄めて 強いアルコール飲料は、のどや胃腸の粘膜に強い刺激を与えます。喉頭がんや食道がんの原因になることもあります。こういったことをさけるためにも強いアルコール飲料は薄めて飲むようにしましょう。

遅くても夜12時で切り上げよう 長い時間飲んでいると、知らぬ間に酒量が増えてしまいます。なるべく早い時間に切り上げるようにして、遅くても夜12時で切り上げましよう。

肝臓などの定期検査を 大量の飲酒を長い間続けると、肝臓を痛めつけることになります。脂肪肝から、肝炎、肝硬変と進んでいっては大変です。飲んでいる人は肝機能等の検査を受け、その健康状態を確かめることが必要です。



よくお酒を飲む人や、肝臓の働きが少し低下している人などは、「肝臓をいたわる食生活」が必要です。そのためには以下の4つの注意が必要です。



1、良質のたんぱく質をとる (動物性40%以上、残りを植物性たんぱく質でとるのが理想的) 

2、ビタミンとミネラルを十分補給する (ビタミンの豊富な野菜や果物を積極的に取る) 

3、加工食品は避ける (食品添加物が含まれていることが多く、肝臓に負担がかかる)

4、飲む前に牛乳を飲む (胃壁を保護してくれ、アルコールの吸収速度が落ちて肝臓の負担が減る)







5.ビタミンをしっかり取ろう



ガンを予防するためには、ガンなどの生活習慣病に対する抵抗力をつけたり、私たちの体の細胞膜の酸化を防ぐ働きがあるビタミンAやC、Eを上手に補給することが大変重要です。



<ビタミンA>

ビタミンAは「体の細胞の膜を守って健康な状態に維持する働き」を持っています。この働きで病原体に対する抵抗力も強まりますが、ビタミンAが不足して細胞膜が弱まると、発ガン物質の悪影響を受けやすくなります。(ガンの多くは粘膜の細胞膜の異常から発生するので、細胞膜が弱まるとガンができやすくなる)



ビタミンAを多く含む食品は「レバー・チーズ・バター・卵黄・うなぎ・緑黄色野菜などです。



<ビタミンC>

ビタミンCは「コラーゲンの合成を促す働き」を持っています。コラーゲンは細胞と細胞をつなぎ合わせている繊維成分で、コラーゲンの働きが低下するとガンが発生しやすくなってしまいます。また、ビタミンCには発ガン物質の作用を弱めたり、細胞膜の酸化を防ぐ働きもあります。最近よく耳にする「活性酸素」「過酸化脂質」などは酸化が原因で発生するカラダに有害な物質です。



ビタミンCを多く含む食品は「緑黄色野菜・淡色野菜・かんきつ類・柿・イチゴ・イモ類・緑茶などです



<ビタミンE>

ビタミンEは「細胞膜の酸化防止作用や筋肉の機能を維持・細胞膜の機能の強化する」働きを持っています。ビタミンA,Cと共に、細胞膜を保護してガンを防いでくれる働きを持っています。



ビタミンEを多く含む食品は「植物油・胚芽・ピーナッツ・うなぎ・かつお・すじこ・たらこ」などです。







6.食物繊維が中心の献立にしよう 



毎日の食事で食物繊維のが少ない国々と比べると、摂取量の多いアフリカ諸国でのがんの発生率は低いという調査から、食物繊維を多くとると、大腸がんの発生率が低いことがわかりました。食物繊維と大腸がんの間には深い関係があることは確かですが、食物繊維だけが大腸がんの発生を直接予防する効果があるのかはまだはっきりとしていません。



しかし 、食物繊維をたくさん含んだものを食べると、腸内の余分な胆汁酸を減らし、それによって胆汁酸の毒性(発ガン物質を元気にするもの)を減らす働きが生まれるため、ガンにかかりにくい体を作ることができると考えられています。また、食物繊維の不足は腸の働きを低下させ、体によい善玉菌の腸内細菌が減って悪い菌が増えてしまい、いろいろな生活習慣病の危険が高まるのです。




食物繊維を上手にとるためには、まず毎日食べる主食に食物繊維の多いものを取り入れることが大切です。主食であれば①お米に麦や玄米を混ぜて食べる ②パンはライ麦パンや胚芽入りパン ③めん類ではうどんよりもそば(食物繊維が多い) というように工夫します。



副食 では、野菜・いも・豆・キノコ類・海藻をたくさん食べましょう。野菜は切干大根、かんぴょう、おひたしや煮物などが繊維を多くとることができます。豆類では納豆がお勧めです。アーモンドやピーナッツなどの種実類にも食物繊維が5~10%位入っていますが、脂質も多いので食べる場合は少量ずつにしましょう。





食物繊維を多く含む食品(100gあたり)

干しひじき 43.3

かんぴょう 30.1

切干大根 20.3

いんげん(ゆで) 13.3

あずき(ゆで) 11.8

大豆(ゆで) 7.0

玄米ご飯 3.5

ライ麦パン 3.5

そば(ゆで) 2.0

こんにゃく 2.2

ごぼう 8.5

グァバ 10.1

アボガド 9.6



食物繊維の目標摂取量は成人で1日当たり20-25グラムといわれています(第5次改定日本人の栄養所要量・1994年)。現在、日本人は平均1日あたり15gしかとっていない(1990年データ)という統計が出ています。少しでも多くの食物繊維を食べてカラダを内側から変えていきましょう。