バスが終わる前に@鳳凰三山 ② | 裏・ヘッドロココに憧れて

裏・ヘッドロココに憧れて

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前回からのつづき

 

 

南御室小屋に到着したボクがまず最初に何をしたか。

 

震えました。

しばらく震えました。

 

テント設営まで耐えた自分を褒めてあげたい。

 

テントに入ってフリーズ。

思ったよりも寒いじゃないか。

なんだかボーッとする。

意識が薄れていくのを感じる。

 

 

 

 

なんだかとても眠いんだ。

 
 
 
 
 
活動停止限界を迎える前に、
ぶるーちゃんの用意してくれた鍋を作らないと!
ザックに手を伸ばしては動きが止まり、
食事セットを取り出しては動きが止まり、
ガスにストーブをセットしては動きが止まり、
一体、食べ終わるまでにどれくらいの時間が流れただろう。
 
鍋を身体に流し込んでも寒さは変わらず。
久しぶりのひとりテントはあまりにも寂しい夜を連れてきた。
 
そして、なんだか気持ちが悪い。
豚肉の脂かしら。
寒さに続く連続攻撃に心は折られる寸前。
明日、登らないで帰るかも・・・。
 
 
 
 
 
 
断続的にしか眠れない夜でも必ず空ける。
不思議なコトに寒さは夜中になると少しずつ和らいでいった。
気持ち悪いのもなんとか治まっていそう。
 
行こう。
 
 
 
 
 
 
Before Dawn
日の出よりもむしろ。
空ける直前の空気感に気持ちは高まる。
 
 
砂払岳に向かう途中に夜は明けて。
この先に広がるだろう青空を想うと、
不思議と身体は軽くなる。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
ずーん。
 
 
 
 
 
 
 
北岳。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
どーん。

 

 

 

 

 

 

 

 

間ノ岳。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ばーん。

 
 
 
 
 
 
 
 
農鳥岳。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
みょーん。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
仙丈ヶ岳。
 
 
 
 
 
 
岩岩の砂払岳。
鳳凰三山にカウントされてもいないけれど。
もう、ここで十分じゃないかな。
 
鳳凰零山で帰っても。
もうおなかいっぱいになるほどの贅沢景色。
 
 
 
 
 
 
有名な山が連なる稜線上には、
人々の記憶に残らないピークがたくさんある。
ケドね。
そこから見えた景色。動かされた心。
ちゃんと思い出になっていくよ。
 
 
 
 
 
 
奥秩父の山々。
 
 
 
 
 
 

リニューアルされた薬師岳小屋。

お借りしたトイレは下界と変わらないレベル。

ありがとうございました。

 

 

 

 

 

 

山上ビーチの薬師岳。

あたりは砂場のような砂の世界。

 

 

 

 

 

 

景色。はんぱない。

西風。もっと、はんぱない。

西高東低を肌で感じるよ。

 

 

 

 

 

 

青空。

のんびりしたくなるような写真だけれど、

現場はとてもそれどころじゃない感じ。

 

 

 

 

 

 

南の南をゆっくり堪能したいけれど。

色んな物が飛んでしまいそうなので先を急ぐ。

 

 

 

 

 

 

雲海を従えた富士山。

まるで島のような存在感。

 

 

 

 

 

 

次なるピーク。

観音岳。

前後左右どこを見ても絶景だけれど、

吹き抜ける風が足を勝手に進めてしまう。

 

 

 

 

 

 

観音岳のピークは風よけにちょうどよく、

たくさんのハイカーがここで休憩している。

 

 

 

 

 

観音岳から八ヶ岳。

雪が降ったらお邪魔します。

 

 

 

 

 

 

今ゆく道。

まだ意外と長く見えるのは気のせいかしら。

高嶺ってあの緑の塊だよね。

まだあるね。

 

 

 

 

 

 

鳳凰小屋分岐。

この後、赤抜沢ノ頭に向かう途中で、

ボクは道を間違える。

 

 

 

 

 

 

 

道はとても分かりやすかった。

それなのに間違えた。

バツ印もあったのに、更にそれをちゃんと見たのに。

間違ったルートが序盤とても歩きやすかったもんだから。

結構下ってしまった。

 

うん。

歩きやすくて、つい行ってしまいそうな道。

だからバツ印がついているんだよ。

 

不注意で間違えておいてアレなんだけれども。

バツではなく矢印だったらよかったなー。

てっきり、正しいルートに対してバツがついていたのかと。

上の写真は間違えたルートから撮ったもの。

次こそ間違えないぞ。

 

 

 

 

 

 

余計な精神力と体力を奪われて(自ら失って)、

赤抜沢ノ頭に到着。

前回、ぶるーちゃんがいなかったから、地蔵岳はパスした。

今回、ぶるーちゃんがいないから、地蔵岳はパスしよう。

 

 

 

 

 

 

最後のピーク、高嶺に向かう途中。

またルートを外れてしまった。

岩岩が歩きやすくて、ぴょんぴょん進んでいたら、

突然進める道は消えた!マジックみたい。

 

帰り道は急激に難度が増してしまったけれど、

戻るコトが出来るルートがあって良かった。

 

 

 

 

 

 

高嶺でCQ出すつもりで来たのだけれど。

あまりに風が強いのと。

白鳳峠からの下山がコースタイムで収まるか不安だったので、

CQは諦めて、道中みんなのコールサインを読んでみた。

誰も出なかった・・・。

 

 

 

 

 

 

高嶺から早川尾根。

左に仙丈ヶ岳。

右に甲斐駒ケ岳。

 

この先、急な下りが続くのでカメラはザックにしまっておこう。

まずは高嶺からの下り。

もう、この時点ですんごい急。

前回よく登れたな。

 

なかなか疲れた状態で白鳳峠に到着。

こっからがしんどい下りっぽいのに大丈夫かしら。

 

南アルプス林道に出るまでコースタイム2時間。

序盤は岩岩の道。

乗る岩を間違えなければここは問題なく通過出来る。

そして勘違いが生まれる。

 

なんだ、この分ならあっという間にゴールだな。

ところが。

ゴーロ帯を抜けてから劇下りになっていって。

足の筋力もだんだんと終わりを迎えそうな雰囲気に。

 

今、家で振り返ってみると。

言っても、まだまだひどいのいっぱいあるよな。

と、歩いている瞬間のボクを突き放すような考えにもなる。

 

あの瞬間のボクが何を考えていたか言うと。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

もう、下るの諦めようか。

 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
この日、シーズン最後のバスだし。
翌日は大阪に出張だし。
帰らないわけにはいかない状況にも関わらず、
もう、歩くのやめたい、とはじめて想った。
 
もちろん、歩くのをやめられるわけがなく、
ひとりでひーひー言いながらなんとかゴール。
感覚的にはコースタイムの倍以上かかっている気がしたけれど、
実際にはコースタイム内に収まっていた。
 
最後には水もおやつも切れてしまったので、
広河原で自分にご褒美を買ってあげねば!
と、期待に胸膨らませ南アルプス林道を歩ききると、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
自販機すべて売り切れ
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

 

今日が最後の営業だからなんだって。

下界とは違うしね。

分かる。

分かるけれども。

今日が最終日なんだから、最終日までなにかひとつくらい残してくれたってー。

と、炭酸飲む気満々だったボクの頭はショートした。

 

ともあれ。

無事に旅を終えられたわけだし。

それ以上を望むのは欲張りってものかもしれない。

おつかれさまでした。