哀恋の夏

梅雨が終わり暑い夏が来る。だが、二度と来ない夏もある それは、

行きつけのBAR その女はカウンターの隅に座り後ろ姿には

淋しさが見え、瞳はどこか遠くを見ているようで 悲しげに憂いを

漂わせていた。二人の距離はすぐに縮まり互いにグラスを傾け

何を話す 理由でもなく、時々見つめ合うだけで、心が安らげる様で

それ以上何も望むこともなかった だが、夏の終わりと共に彼女は

姿を消した。まるで夏の蜃気楼のように・・・あれから何れ位 たつか

今も思い出すと涙が頬をつたいグラスに波紋を浮かべ消えていく

  今頃どこに・・・・       遠い夏の想いで

                                     紅の龍