お食事熱のデザート用に作った新曲です。
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悲しい歌だけど、悲しさだけじゃなくって優しさも伝わったらいいなぁ。
クマの形のホットケーキ。
■クマの形のホットケーキ
ヒザかかえ 泣いていた 小さかった あの頃
誰よりも 誰よりも ばあちゃんが 好きだった
「ホットケーキ 食べいくかい? いつもの レストランへ」
とめどなく 流れてた 涙が 乾いて いった
ふたりでのぼる あの坂道
お気に入りの ヒーローのポーズ
「おぶってあげる!」と しゃがんだら
抱きしめて くれたんだ
クマの形に 焼かれた ホットケーキ
耳のはしから 切って 食べる
サクサクで なかはふんわりで おいしかったな
目の前にいる ばあちゃんは いつもの紅茶
たっぷりミルク入れて かき回す
「おいしいかい?」 笑ったその顔が しわくちゃだったな
大好きだった
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部屋で隠れ タバコ吸って 怒られてた あの頃
何もかも 腹が立って 悲しくて 家を飛び出した
自転車でのぼる あの坂道
その先に ばあちゃんがいた
ゆっくりのぼる その背中が
とても小さかった
声をかけることが なぜかできなくて
追い抜くことも なぜかできなくて
Uターンして 坂をくだり出した 振り返れなかった
からまわる ペダルを 思いっきり こいだ
かどを曲がりきれずに すっころんだ
何やってんだ オレ何やってるんだ... 涙が止まらない
どうすりゃいいんだ...
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いつの間にか 歳をとって ひとりで 暮らし始めた
着慣れない 親の喪服 黒いネクタイ 持て余した
「ありがとう」と 二度と伝えられない そんな日が 来るなんて
考えも しなかったんだ ずっといるって 思ってた
あの頃なりたかった ヒーローには なれなかった
たいして 稼ぎなくて いつもカツカツだ
でも仲間が「お前いいヤツだな」って 言ってくれるんだ
「ばあちゃん こんな男に オレはなりました こんな男に オレはなりました」
「聞こえてるかい? 届いているかい?」 あの空の向こう 天国へ
クマの形に 焼かれた ホットケーキ
耳のはしから 切って食べた
あの味が 不意に よみがえって 思わず 駆け出した
改札をくぐって 電車に飛び乗った ゆっくりと電車は 動き出した
「ごめんね」と つぶやいた 暮れなずむ街は ゆがんでいた
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レストランは 開いていた あの頃より 古ぼけてた
コーヒーを頼んだのに 出された ホットケーキ
「半年前 おばあさまが ご注文 されました」
「きっと あの子 来るからって 笑っておっしゃいました」
ありがとう... ありがとう...
耳のはしから 切って食べた
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