父との別れが
近づくにつれ
なぜだか心に浮かぶ
美しい想い出が
1つだけあります
遊園地とか
家族旅行とか
ありきたりのことは
なかったけれど
忙しい父が
一度だけ
どこか知らない
水の綺麗な川に
魚釣りに
連れてってくれた
いつも一人で
近くの川で
釣りばかりしてた僕に
その日は僕の
知らない釣りを
教えてくれた
二人で
せせらぎに
素足で入って
釣れるたびに
笑顔を向け合って
その度に父が
上手だなって
微笑んで
褒めてくれた
いつしか
二人とも
夢中になって
たくさんたくさん
釣ったんだ
季節の
あたたかいそよ風
きらきらした水面
時間が経つのも忘れて
自然の中に溶け入って
父がそばにいることが
それはもう
嬉しくて嬉しくて
あの時の想い出は
今でも心に
きらめくよ
父が残してくれた
かけがえのない
あったかい
美しい風の跡
今まで本当に
愛してくれて
ありがとう
