開催さえ危ぶまれた選抜高校野球大会が始まった
入場行進のない開会式に ブラスバンドの演奏のない応援
静かな晴れ舞台である
我が子と同じ世代の選手たちが 甲子園にたどり着までの道程は
決して易しいものではない 
野球ができることに感謝します 甲子園に出られただけで嬉しい
真剣な眼差しで語る彼らの言葉に 励まされた思いがした 
そして 選手宣誓に心を洗われた思いがした


  宣誓。
  私たちは16年前、阪神・淡路大震災の年に生まれました。
  今、東日本大震災で、多くの尊い命が奪われ、私たちの心は悲しみでいっぱいです。
  被災地では、全ての方々が一丸となり、仲間とともに頑張っておられます。
  人は仲間に支えられることで、大きな困難を乗り越えることができると信じています。
  私たちに、今、できること。それはこの大会を精いっぱい元気を出して戦うことです。
  「がんばろう!日本」。
  生かされている命に感謝し、全身全霊で、正々堂々とプレーすることを誓います。
 
  平成23年3月23日
   創志学園高等学校野球部主将 野山慎介



夏の中国大会の彼らの試合を観た
1年生だけの野球部という言葉を 何度となく耳にし 目にして来た
チャンスに後押しをし ピンチに支えてくれる先輩のいない彼らは
いつも いつも みんなで支え合い 励まし合って頑張って来たのだろう
その重ねてきたものが確かなものだから 監督やコーチ 選手みんなで考えたという宣誓文は
聞く人たちの心に響き 大きな感動を与えた

何もできないもどかしさと悔しさ 苛立ちは私の中で未だ吹き荒れている
小さなことでも 気の付いたことはやってみた
こんなことしかできないのかな 心が痛む思いがあった
野山選手の宣誓が そんな心の中の澱みを 洗い流してくれた
生かされている命に感謝することは 同時に大きな力を引き出してくれる
そう教えてくれた